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【派遣社員】と労働契約法(派遣法)改正に関わるエトセトラ

派遣労働の制度は1986年に始まりました

労働者派遣会社は労働者を企業に派遣し、派遣先から派遣労働者の利益をピンハネするような形で収益を得る仕組みになっています。派遣された労働者は正社員には及ばない額の給与を得ることになりますが、パートやアルバイトよりは高額な給与となります。

そうやってスタートした派遣労働の給与は、年を追うごとに派遣先の正社員との格差が大きく開いていくことになります。派遣労働から正社員への道筋がはっきりとはしていないことや派遣先の企業の都合次第では、就業の継続に不安定さが生じることなど改善されなければならない点がありそうです。

それでも、派遣労働の割合はある程度増加してきた経緯があります。仕事が選べたり、通常のアルバイトよりは時給が良かったりするからでしょうか。また、自分で仕事をさがすわずらわしさがなく、長時間労働に悩まされるようなことの少ないことなども利用される要因でしょうか。

 派遣のメリットと問題点

派遣を利用する場合、労働者はまず派遣会社に登録が必要です。そして仕事がみつかった時、派遣会社と雇用契約を結び給与はそこからもらうということになります。利用者は勤務する会社への就活の難しさを回避できて楽なのかも知れません。

しかし、雇用の長期安定や、収入の増加、キャリアのアップという側面を長い目で見た時の展望を考えてみると問題があります。もともとこの制度は、大きな目で見た時には、経済界全体の人件費を効率よく抑制できる制度なのです。

ですから、基本的には使用者側の利益優先の制度です。人は年齢がアップしていくそれぞれの人生の節目の場面で、結婚や育児など収入増が必要となるものです。しかし、そのようなことに対応できるような国民にやさしいシステムにはなっていないのです。

 派遣労働で、トラブルになりやすいこと

派遣労働は、もともと期間限定の労務提供の仕組みです。3年という最初の限度が設けられていますが、この終了時や、その他各契約期間の終了時に、自己都合退職として処理されるか、会社都合退職として処理されるかのトラブルが良く聞かれます。

契約満了時ですから派遣者は自動的に会社都合の退職として誤解しがちですが、はじめの3年時満了の場合はそれでもよさそうですが、その他の場合、派遣者が続けて働く希望ありの意志を伝えておく必要があるというのです。契約満了が近づく時には気をつけましょう。

契約満了で退職すれば、その後の失業保険の支給を期待するのは当然のことです。その場合、「一か月間は仕事探しをしましょう」ということが言われます。派遣の場合は、それで会社都合として失業保険がもらえるそうです。こんな情報は知っておくと得をします。

 正社員と契約派遣社員の年収差

厚生労働省の発表した賃金統計によると年収さはかなり大きいようです。

  年齢    正社員年収   契年収約派遣社員    年収差

全年齢平均   513.8万円    328.2万円     185.6万円

20~24歳   327.8万円    277.4万円      50.4万円  

これらの年収差は、やく40~44歳の時期には全年齢の平均差に到達してしています。

派遣業制度とは経済界の要求により、リストラに代わる人件費抑制の施策として、労働者を分断し、求人の少ない業種から、人手不足の業種への労働力の移動を安上がりに実現した制度です。

あなたも、これらのデータを見て、この先どんな働き方を目指すのか考えてみるきっかけにされてみてはどうでしょうか。

この国は、EU先進国に比べると「労働政策」「労働行政」においてまだまだ遅れた後進国並みの状態です。決してジャパンクオリティーなどと自慢できるようなものではありません。

この状況をできるだけ素早く改善したいのであれば、それはまずドイツなどの先進国で法律が完備しているところの制度を、そのままそっくりと真似てしまうことです。

しかし、政権によっては経済界との癒着によって利益をむさぼってきたことが当たり前のように続いてきたのですから、抵抗は烈しいことでしょう。ですから、まず国民がそのような古くてためにならない価値にたいして「ノー」を突き付けることが必要です。

2015年に派遣法が改正され、それまでの期限付きの規定が見直されて、延長がしやすいシステムに変更されました。その改正が、果たして派遣社員にとってメリットとなる部分が大きいのか、それとも雇用者にとって都合がいいものなのか、見極めが必要です。

派遣社員は、雇用が延長する代わりに正社員への道がますます遠くなる可能性もありそうです。そして、正規社員は徐々に減らされていき、派遣社員ばかりが増えていくことになる?そんな危惧も生じます。正規の組合も弱体化していくでしょう。

労働契約法が改正される

2018年4月には、改正労働契約法が施行されます。契約社員などの有期雇用で通算5年を超えて契約更新する場合、本人が希望すれば期間の定めのない無期雇用に転換するという決まりです。この「無期転換ルール」は、労働環境にどんな効果をもたらすのでしょうか。

企業にしてみれば経験豊かな人材をより継続的に雇用できるというメリットがあります。問題はそのことによって派遣という待遇の改善がどれほど進むのかということです。正社員や準社員への昇格と収入の目に見えた増加が確実に促進されてこその効果といえるものではないでしょうか。

この派遣社員という非正規雇用労働者に対する追い風を背景に、今しばらくの見守りと検証が必要だと思います。

転職サイト情報・エージェント情報

 

<サイト管理人の泪みつるです>
派遣労働に関する制度は、もともと企業側(経済界側)が求めたものです。産業構造の変化に対応して斜陽産業から好調な産業への労働者を移動させたい(労働供給をしたい)といもくろみがありました。いまでもそうです。しかし、それとセットとして賃金抑制が貫徹されたことや正社員への道が閉ざされてしまったことも大きな問題なのです。

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