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新卒採用AI選考AI面接導入が進むとどうなっていくのか 不透明な基準。戸惑う学生。

もうすでにAIは新卒採用に取り入れられていますが、エントリーシートの合否仕分けだけではなく、二次面接などの画像分析による選考段階にまで進みつつあるようです。いわゆるAI面接です。

しかし、本音の部分ではどうなのでしょうか? 採用する側、される側、それぞれに思惑は交差して、どこがメリットでどこがデメリットなのか、判断のつきにくさがあります。

■エントリーシートのAI選考

採用側の企業としては、送られてくるたくさんの数のエントリーシートをどうさばいて、効率よく次の2次選考へと進むのかという命題は、確かに大きな問題であろうと思います。

タダでさえ、大手就活サイト(リクナビやマイナビなど)に踊らされて、手のひらの上で転がされているような観のある、就活戦線ですから、もし、そのような大手の就活サイトが採用選考の効率化に関わるAIを開発して、企業に売り込みをかけるなら、一気に広まっていくことでしょう。

メリット

1.企業側からの狙いとして、大幅な時間の削減がある。それまで、エントリーシートの合否仕分けにかけていた時間を短縮できる。

2.過去のエントリーシートのコピペ提出を見抜くことが出来る。

3.人の手で行う場合、担当者の考えの片寄によって、公正さを欠くということを回避できる。(これは、企業側、学生側双方にメリットと考えられる。)

例えば、人事担当者が応募者の出身大学に関して、色眼鏡的な思考を行う場合には不公正さが拡大するので効果的である。そのほか、「性別」とか「国籍」や「出身地域」など、様々なことでの偏見は当面回避されるというメリットはある。

4.複数の担当者間の意識のズレを修正して、選考の一貫性と客観性を担保できる。

デメリット

1.選考を受ける側の学生としては、自分の価値を得体の知れないAIに判断されるということへの違和感や忌避感がある。学生は、人として自分を扱ってくれる人間性を求めている部分が大きく、AI導入に反対のパーセントは大きい。

2.特に、ネットを介してのビデオ面接の場合にはその抵抗感は増すという実態にあります。

3.プログラムの在り方次第では、新たな就職差別の発生源とも成りうる。

■AI面接・選考

来春の新卒採用に関して、AI面接システムを試験導入しているという。三菱UFJ銀行やみずほファイナンシャルグループなどがそれである。

トヨタ自動車グループなど国内有力企業も導入に関心を強めていると言われます。

このように、AI面接の選考導入が急速に促進されつつある背景には、新型コロナウィルスによる影響でオンライン面接が浸透してきたことがある。

これを録画して、選考段階をAIに任せると企業は楽になる(効率化できる)という意図が働いているのですね。

やり方としては、オンライン会議のように遠隔地を繋ぎリアルタイムで面接すると言うやり方が多いかも知れません。ですが、すでに面接そのものをAIが行う場合もあると言います。

動画面接ツールに学生が接続すると、質問事項が自動音声で再生され、応募者はスマホに向かって志望動機はじめ、さまざまな質問に対する回答を行うというものもある。

其の後、質問に対する回答を「状況適応力」、「コミュニケーション力」や「チーム志向」など、それぞれの企業の求める人材像に関してAIが総合的・自動的にまとめて評価を行い、採用・不採用の重要な判断データとすることとなるわけです。

私には、少々背筋が寒くなるようなSF的な感じがします。人は、AIによって採用(或いは不採用)となり、AIによって昇進したり降格したりして、最後はAIによって、首切りの憂き目に遭い退社していくのでしょうか。

その人の人生がすべてAIによって決定されるということに、果たして人間は耐えられるのでしょうか? 大いに疑問ですね。

■ブラックボックスとなる怖さ

評価基準というものについて、AIは説明できませんし、説明しませんから、評価された側の不信感や疑惑は拭いきれない部分が残ると思います。

AIのプログラムを作成する人間の倫理観がノーマルで片寄や偏見はないのか、悪意あるプログラムが作成されないのか、企業のコンプライアンスに違反した意識が反映されないか、など問題点が指摘されています。

また、どの点について加点され、どの点について原点されるのかなど、基準がどうなっているのかの問題、透明性ある回答が求められることでしょう。

アメリカのアマゾン・コムがAIを使った採用を中止したとあります。過去に採用したエンジニアは男性が多いことをAIが学習し、女性に不利に評価していたことが判明したためとあります。

日本企業においても、この先AIを活用する場合において、その判断基準の透明性をどう高め、どう説明責任を果たしていくのかが問われることは必須であることには間違いありません。

もともと就職における、差別に関するガイドラインがどれほど一般化しているのでしょうか? 就職後には、かなりの部分では身分的な保証があるのですが、採用前の就活段階では、企業側と就活生の力の差は歴然で「契約の自由」なんてものは採用する側の自由でしかありません。

AI面接ツールが、すでにいくつも出回っている状況下で、就活戦線にこれから臨んでいく貴方たちの幸運を、コロナのいち早い収束と共に祈るしかありません。頑張ってください。

■サイト管理人の泪みつるです。

時代が変わると、採用風景も大きくかわるものですね。聞けば、バブルの時代には、採用前から企業は学生に対していろいろな接待をしていたということです。

飲み食いは言うに及ばず、内定学生には逃げられないように旅行やスキーなどにも連れ出したそうです。すべてはバブル期の経費として機能していた時代の事です。税金に払うよりは、経費として落とすほうがいいということでしょうか。

今は昔のお話でした。





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