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「この20余年の間、平均年収上昇が低迷しているのは日本だけ??」って本当か?

今の時代、年収が上がらないのは当たり前??

私たちは、「こんな時代だから、給与が上がらないのは仕方ない。」と思ってはいないでしょうか。しかし、先進国で比較してみると、この20年で年収が上昇していないのは日本だけだという事実に唖然としないわけにはいきません。

この国では、90年代を「失われた10年」として経済の低迷期とされています。ところが実は2000年からの10年というのも、その後遺症を引きずっていて求人や就職などが低迷しており、当然年収の伸びも少ない状況が続いていたのです。

日本の企業(資本側)は、これに対して正規社員(正社員)のリストラとそれに代わる非正規社員(派遣社員・パート、アルバイト社員)の配置という、まさしく労働者全体にリスクを被らせることで、難局をクリアーしてきました。また、それによって内部留保という私腹をも肥やしてきたのです。

従って、実際に失われたのは企業側ではなく労働者側だったという事実に、私たちは目をつぶってはいけないと思います。以下のデータを見てもらえば、その状況は一目瞭然です。

※USドルベースでの年収

          1995年      2015年    上昇率

フランス      34180ドル    42455ドル    24%

ドイツ       39915ドル    45810ドル    15%

イタリア      32899ドル    35117ドル    7%

日本        38994ドル    38660ドル   -1%

イギリス      31890ドル    42304ドル    33%

アメリカ      45123ドル    59691ドル    32%  

このように、いずれの国も2桁の%の伸びがみられる中で、日本だけが「-」なのです。

■この状況の原因は何だ!

1995年、経団連は「雇用の流動化」を提唱しました。それはちょっと見には、「低迷している業界から、好調な業界への労働力の移動」という意味に受け取れてしまいます。それはそれで悪くないように受け取れてしまいます。

しかし、実態は違いました。業界間の労働力移動というのは、実はそうそう簡単なことではなく、日本の企業は「正社員の首切りを大量に行い、その代わりに非正規社員の雇用を増やす。」ということを臆面もなくやったのです。

それは、それまでの労働慣行を無視した非情なやり方でした。結果、類類とした労働者の屍の上に企業は生き延びたのでした。それは、人件費の抑制(=低賃金の非正規社員雇用という)という1点の目的のために吹き荒れた嵐でした。

■政府は企業の再生を後押しした。労働者は守らずに

政府は1999年、「労働者派遣法を改正」して、大幅に派遣労働者の採用に道を開きました。さらに2006年には「製造業」までも解禁してしまいました。

結果、90年代半ばまで20%台だった非正規労働者の割合が、現在は35%を超えているのです。このように非正規労働者の増は、賃金要請と同義語です。まさにここに日本だけの労働者年収が20年間も低迷し続けている大きな理由があるのです。

70年代まではそれなりに労働組合の力も維持してきたものの、組織率が落ち通づけて弱体化してきたこととも関係があります。欧米では今でも労働組合は力を維持しています。

■この国の労働環境が未発達なのは、国に原因がある

この国では、様々な点で社会制度が不備あるいは非常に古く、とりわけ労働行政の遅れが目立つところです。サービス残業の横行や有給休暇が取りにくいなどのことは序の口で、至る所で労働者の権利がしっかり守られていないのです。

やっと「働き方改革」が叫ばれてているこの頃ですが、残業時間の上限規定が新しく盛り込まれはしましたが、他先進国の上限規定には遠く及ばないお粗末な状況です。政権政党が企業の利益を代弁するばかりで、国民や労働者のあるべき利益や権利に関して無神経なことが、この国の成長を遅らせてきた要因ともいえるのです。

ドイツの法律では、大企業の経営監査「監査役会」の人員の半分は労働者代表が占めるという規定になっていて、安易な人員削減などはできない状況になっていると言います。

アメリカの自動車業界では、レイオフ先任制度というものがあるそうです。
・業績が悪化して従業員の解雇が必要な場合には、雇用年数浅い人から順に解雇する。
・業績の回復で、従業員を呼び戻すときには、解雇された人の中から、雇用年数の長い順に呼び戻されるというものです。

このようなルールと合わせて、「独自の失業補償制度」の両輪で労働者の権利がギリギリ守られているということでしょうか。

■この国の行方は

トヨタでは、1962年「労使宣言」で経営と組合は協調路線をとるという取り決めがなされて、労働条件は労使協議会で決定されるという取り決めだというのですが、果たしてのの約束は現在も健在なのでしょうか。

主に民間の大企業を中心に図られた「労使協調路線」は、かつて総評系の労働団体からは強く非難されたものですが、労使が対等な立場で協調するのか、経営の言うがままの従属的な立場で協調させられるのかで事情は大きく違ってきます。

いずれにしても、労働組合(あるいは労働者代表)が、制度的に経営側と対等な立場で経営そのものにも発言をして、権利を主張できる環境が整わなければならないと思います。

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