定年退職教師がハローワークで遭遇した現実
この国は、すっかりと高齢化社会になってしまっているというのに、60オーバーの人に対する扱いが、非常に醜く非情であるという現実に気づかされました。これは、労働行政の弱さもあります。法律改正も必要かもしれません。
元教師だったY.Uさんの話
私は、教師として35年務めた末に定年退職して、しばらくは仕事にも就かず家でのんびりとしていました。ですがそのうちに生活の厳しさもありそろそろ働こうという気持ちになってきました。
学校職場の辛さや過酷さに辟易としていた私は、学校の嘱託職員など、そんな職場を避けるために、まずハローワークを訪れました。
「学校程ブラックな職場もないだろう。それよりもっと楽でそれなりの収入も得られるような仕事が見つかるだろう。」
と期待してのことでした。
ところが、実際には期待したような仕事が何も見つかりません。地方の田舎県だからでしょうか? いやいや、そうでもない感じもします。第一に「求人」自体がとても少ないのです。年齢的な条件面で既にはねられている。それが過酷な現実でした。
求人票には定年が60歳との規定ばかりがならんでいるのです。どうやら、企業は押しなべて私よりは若くて、しかも女性を募集しているような気配がプンプン感じられる始末です。
WordやExcelは出来ても、簿記の経験のない人は事務職の対象外とされている。また事務職以外では、それぞれの業務に関わる何がしかの資格保有者を求めている。
そもそも正社員として定年退職者を取りたいなんて奇特な企業がない、それなら嘱託や非正規でそこそこの条件の仕事があるのか? しかしそれもない、等々です。定年退職者は、世の中的には全く無用のお呼びでない年寄り扱いなのです。
教職免許だけでは何の効力もないという現実
退職教師が仕事を探そうとしても、せいぜいアルバイトの雑務ぐらいしか求人はなく、それさえもなんだか危うい状況です。表示されている情報は少なく最低限のことしか書かれていないし、ハロワがブラックの温床となっているということを、私は後になって知ることとなるのです。
ハロワまでの自転車で30分の道のりが、通うたびにだんだんと遠く、そしてペダルが重く感じられるようになってくるのです。絶望的な気分です。それが、応募や面接の一つも体験する前の出来事ですから、その先が思いやられます。
もはや、自分にバリバリと仕事をしていたころの若さはありません。ですから、今更なにクソの力が沸いてくることはありません。
「でも、運よく一つぐらいはそれなりにいい仕事との出会いはあるだろう。」とタカをくくっていた私の考えの甘さ加減が情けなくなるばかりです。
教職の経験が生かせるのは
教員免許がものをいうのは、せいぜい塾ぐらいですが、それは必然的にナイトワークとならざるを得ません。夕方から夜にかけての仕事は、この年では骨身にしみます。そして、後で聞けば、塾というのも相当なブラックだと言うじゃありませんか。
かと言って、学校での再任用という道がイヤで、敢えて選ばなかった方向へ、今更お願いしますという気にはとてもなれません。また、児童館のスタッフ募集(これは教職免許が条件)なども御免こうむりたい感じです。
そのうち、ハロワだけが職探しの方法ではないし、コネも探してみるか、とか他にも方向性を模索しながら、慌てずに行こうという開き直った気分にもなった次第です。
もはや正社員にこだわることは非現実的に思えてきました。収入も低く設定しなおして、そこそこ働いて、ソコソコ気楽に暮らすなんて方向も悪くないかも……なんて心境になりつつあるこの頃です。
この先、幸運が舞い込むことを期待しながら過ごす毎日です。
転職サイト情報・エージェント情報
<サイト管理人の泪です>
つい先日、偶然にも昔の学校職場での同僚に会いました。「今どうしてる?」の私の問いかけに、彼は定年まで5年を残して退職したというのです。その理由を彼は「あまりに忙しすぎて…」と言ったのです。やはり彼にとっても(そしておそらく誰にとっても)学校という職場は、殺人的な所なのです。改めて私はそう納得しました。
欧州では、定年の年齢を65歳へ、そしてさらにその先へと延長するという動きが顕著です。それは年金の開始年齢を遅らすための措置です。日本でも公務員などは、定年後の雇用延長(嘱託職員として給与は大幅に減)が成されるようになりました。一般企業にもそれに似た動きはあるようです。
ただし、学校(特に小学校)では、定年年齢の延長は教師にとって必ずしも嬉しい状況の変化ではありません。なぜなら、あまりに現場が多忙すぎるため、年配教師は燃え尽きてしまう傾向があるためです。年取ってからの自分にとっては孫のような年齢の子ども集団を相手に授業、評価をするというのは荷が勝ちすぎるのです。
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