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セクハラ上司はパワハラもはやり兼ねない人たちである

財務省の事務次官がアサヒTVの女性記者に対して行ったセクハラ発言がセンセーショナルな話題となっていますが、そこには国の中枢の最高位にある権力者としての高級官僚と、記事をゲットするためには、呼び出されれば何を差し置いても駆けつけなければならない立場の一女性記者という立場の強弱が歴然として反映されています。

セクハラもパワハラ同様に上司と部下、管理職とヒラ社員、社長と秘書、先輩と後輩、教師と教え子、営業職と上得意様、等々その立場の優位に立つものから立場の弱い者に向けて行われることが圧倒的に多いのです。ですから、ヒラ社員から女性社長に向けて行われるセクハラなどは起こらないし、少なくともイメージしにくいものです。

セクハラに対して女性が反発をした場合、その優位な立場を利用して女性を退職に追い込んだり、解雇したり、脅したりなど、不利益を与えるような行為は完全にパワハラと呼ぶべきものです。そのようなことがさらに付け加わると予想されるがために、女性が被害を公にすることをためらうことが非常に多いと考えられます。

ですから、可視化されたものは氷山の一角かも知れません。しかしそれでも時代の流れでしょうか。法律の後押しとともに今後、セクハラ裁判はさらに増えていくことでしょう。徐々に健全な方向に流れていくと考えられます。

これだけ、セクハラ報道が大きく報じられること自体が時代の変遷を表しているとも言えます。当たり前のこととして、無視されることはなくなったということでしょうか。アメリカではMe Tow運動がブレイクしつつあります。そのように、日本でも勇気ある女性たちによって歴史が動きつつあるわけです。

セクハラあるある言葉

1.身体や容姿、年齢のこと
2.私生活のこと
3.性差別にあたる表現
4.行き過ぎた冗談

1に類することとしては、
「何カップ?」「スリーサイズは?」「デブ」「ブス」「ババア」「ハゲ」
「イライラしてるね。生理?」etc

2私生活のこと
「結婚しないの?」「早く結婚しなさい」「いつまで仕事続けるつもり?」
「最近いつ可愛がってもらった?」「今日は楽しそうだね。いいことしたの?」
「早く子どもを作りなさい」

3性差別にあたる言動
・接待でお酌をさせる
・「女/男には務まらない」
中には、本人も意識しないうちに性的な偏見が基底にあるような場合もあります。例えば、「こういう細やかな気配りが女性は素晴らしいと思う。」など

4行き過ぎた冗談
「最近太った?/ この頃痩せた?」
「まだ彼氏いないの?」「今晩、泊めてもらおうかな」

また、これらの言動にとどまらず、直接的な行為に及ぶ場合もあります。例えば女性の胸や尻に触る。そしてしつこくホテルに誘う、デートに誘う、などのことも立場の強弱を背景にした状況によってはハラスメントにあたります。

セクハラが度を越して女性が損害賠償を求めて訴訟を起こした場合に、退職を余儀なくされたことなどへの賠償もふくめた慰謝料の額が判決として出されているようです。

「男女雇用機会均等法」の規定

これらセクハラ問題は社会悪みたいなもので、人々の倫理的道義心に訴えるのがせいぜいできる程度の問題であり、実際には防止する法律などはないものと思いがちですが、実はそうではありません。

被害者を守るためにあるセクハラへの法的規制は、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)」(以後「均等法」)によるところが大きいのですが、その内容は以下のようになっています。

第十一条
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

この条文は、事業主の講ずるべき義務として設定されていますが、実際の被害を受けた労働者は、被害を回復するために、セクシュアルハラスメントの行為者やその雇い主である企業に対して損害賠償を請求することが可能です。

裁判例では、セクシュアルハラスメントが被害者の人格権ないし人格的利益を侵害したと認められる場合には、行為者の不法行為(民法709条)に基づく損害賠償責任を認めています。

また、行為者の雇い主である企業についても、使用者責任(民法715条)や職場環境配慮義務違反(民法415条、債務不履行)に基づいて、損害賠償責任が認められることになります。

このように被害者は「損害賠償を求める」という形で事業者・行為者その双方にに対して慰謝料の請求ができます。訴訟による裁判の判例はたくさん出ているようですが、被害者はセクハラ・パワハラの事実を証明する過程でヘビーな状況を耐え抜く精神力が必要であるかも知れません。

俗にいう「セカンドレイプ」などの悩ましい事態を乗り越えて、忌まわしい過去の事実と対決しなければならないこともあるのです。

妊娠・出産・育児休業・介護休業に関する法律の規定

セクハラと並んで、ハラスメントの起こりやすい出産に関わって産休・育休などに関しての不利益取り扱いの禁止事項が以下のように存在します。

■男女雇用機会均等法9条第3項
 妊娠・出産を理由とする不利益取り扱いの禁止
■同法 11条の2
上司・同僚からの妊娠・出産等に関する言動により妊娠・出産等をした女性労働者の就業環境を害することがないように防止措置を講じること

□育児・介護休業法第10条等
 育児休業・介護休業等を理由とする不利益扱いの禁止
□同法 25条
上司・同僚からの育児・介護休業等に関する言動により、育児・介護休業者等の就業環境を害することがないよう防止措置を講ずること

<ハラスメント発言>
妊娠・出産した女性労働者に対するハラスメント発言
・「ほかの人を雇うので早めに辞めてもらうしかない」
・「病院は休みの日に行けるだろう」
・「次の査定では昇進しないと思え」

・「正社員の仕事ができないならパートになればいいのに」

育児休業などを申請・取得した男女労働者に対するハラスメント発言

・「君以外にも面倒をみてくれる親類がいるだろう」
・「男のくせに育児休業を取るなんてありえない」
・「早く帰れる人は気楽でいいね」

関連記事:パワハラ(パワーハラスメント)について考える
     職場のセクハラについて考える 

まとめ

セクハラは、職場環境に害を及ぼすだけでなく、不当な解雇や意に沿わない退職など被害者を生み出すことになります。また、そればかりでなく大局的に考えた時には、多くの女性の活躍を妨げたり、引いては少子化の改善にも悪影響を与えてしまいかねやい要因とも成り得ることです。

これまでの長い期間、男性優位社会が続いてきて、その古い体質から抜け出せないままでいる男性たちの存在が社会の健全化を妨げていることに原因があるようです。その構造体質は、国民に手本を示すべき政治家は元より、日本のトップに君臨するキャリア官僚から、末端の中小零細企業に至る社会の隅々まで蔓延しているのかもしれません。

しかし、今や時代は大きく変わったのです。みんなで社会を前に進めて行きたいものです。単に男性・女性というだけでなく、LGBTなど多様性のある人間のあり方が自然に認められてストレス少なく生きることを全うできるような社会の建設に邁進できる健全な状態を追求していく時代なのです。

「ハラスメント」や「イジメ」は撲滅されるべき時代なのです。こんなに時代は変わったのに、古い価値観(セクハラ)が未だに生き残っていることに驚きと笑いを禁じえませんね。

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