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「テレワーク」という働き方は、果たして「働き方改革」の救世主と成りうるのか?

テレワークとは、必ずしも働く場所や時間を限定せず、インターネットを活用して働き手の都合のいい場所で、都合のいい時間帯に仕事にアクセテスできるというシステムのことを指します。

実は、「Empowerd JAPAN」というプロジェクトが立ち上がっていて、テレワークを普及させようとする試みがなされています。それは、主催を実行委員会方式とし、後援には、総務省、経済産業省、厚生労働省、文部科学省、一般財団法人日本テレワーク協会が噛んでいるのです。

さらには、協賛としてパナソニック株式会社、株式会社東芝が着き、実行委員会事務局は日本マイクロソフト株式会社が担っている組織で、いわば官民相乗りの組織のようであります。

テレワークの講演会に参加してみた

2018年1月に、厚生労働省が副業・兼業のモデル就業規則を発表したことで、どれほどの影響が及んでいるのかは定かではありませんが、ITが進化する状況下でこの先、導入の動きは早まる可能性はある考えられます。

2019年6月、「Empowered JAPAN 2019 in Saga アジェンダ」の催しに参加してみました。その中で紹介されたテレワークの実例は、なかなか参考になるものでした。

それは佐賀のある会社が、千葉県の一人の女性を採用して仕事をしてもらっているという事例でした。このような見知らぬ人材との遭遇の背景には、どうやら佐賀市と流山市という行政が参加していることとも大いに関係ありそうです。

佐賀市の木村情報技術株式会社と千葉県の一人のテレワーカーとの間を、流山市の(株)新閃力というテレワーク推進の会社が取り持ったということのようでした。

ネットで参加されたテレワーカーのプロフには、こうあります

MMさんは、製薬会社に5年間勤務し出産のため退職。その後フルタイムの仕事に再就職を考えるも家族に子育ての妨げとならない程度にと言われ、子育てと両立できる仕事を探していたところ、ウーマンテレワークプログラムを友人に紹介され、受講プログラム受講後、木村情報技術とマッチングし、インターンを経てパートとして採用される。

現在は週3~4日、9時~14時勤務。毎日ラインで出勤連絡をし、本社の担当者と連絡を取り合い業務内容の指示を受けて作業をしている。今後の目標として、仕事時間を少しづつ延ばしていき、重要な仕事を任せてもらえるようにしていきたい。

MMさんを採用した木村情報技術株式会社では、主婦の方を中心にAIの学習データ作成のチームを編成。現在では15名以上の体制でデータ作成や商品開発を行っているとのこと。事業部課長のT・Eさん(女性)の話では、彼女自身2010年に出産して1年間の育休からの復帰後、今の仕事を任されているということだった。

このような形態の仕事には、個人差はあるにしても、もしかしたら女性の方が向いているのかもしれない。ただ、この場合でもMMさんが正規の雇いとなっているわけではなく、待遇面での話がなされなかったので、どの程度の収入をどのような形式や算定基準で受け取っているのかは判然としなかったのは残念だった。

そこには、問題もあることが予想されます。最近、多くの企業がテレワークに積極的な動きをみせているが、危惧されるのは待遇面であります。単なる在宅の副業的な位置づけで企業が考えるならば、労働者は低賃金で便利に使いまわされるだけで終わることにもなりかねないからであります。

国や行政が身分保障を兼ねたガイドラインを示すべきだと思います。そうでないと、正社員を減らして人件費を浮かす方法として、繁忙期を中心にテレワークの仕事を外注して安くあげるという手法が定着しないとも限りません。まさに人件費削減のための安全弁のような狭い範囲での定着では意味がないと考える次第です。

.エバンジェリストからのメッセージ

■AIの進化によって、人間がより多くの事を出来るようになり、より良い社会を実現する。
■テレワークの選択肢ひとつで、企業と働き手のマッチングが進む。

■テレワークは特別のことではなく、すべての個人にとって働き方の選択肢拡大です。
■セキュリティは、クラウド導入が鍵となる。

このようなメリットを謳い、その実現のために以下のような社会的条件の整備が必要と訴えています。

□AIスキル習得のサポートすること
□流動化する労働市場に応じたセーフティネットの近代化とその整備
□スキルベースの雇用マーケットプレイスの創出
□雇用者と労働者の法的確実性の提供
□新たな労働問題に対する解決策が必要

と、このように考えられる積極面と、新たに生じるであろう労働問題への対応とが、現在段階では相半ばしているという印「エバンジェリスト」とは、「伝道師」のことであるという説明を受けました。マイクロソフトはITに関する伝道師という設定をしているのですね。ですから、マイクロソフトは、このテレワークというものの未来に関して、もっと壮大な構想を企てているのかもしれません。

「働き方改革」を推進する3つのキーワードとして、「いつでも」「どこでも」「誰とでも」という言葉が挙げられています。テレワークという手段によるコラボレーションは今日ある社会的課題の解決に寄与するという強い思いを語られました。

 

2020東京五輪を機に、テレワークの実態が大幅に進展・増加する兆しがある

新聞によりますと、東京オリンピックに向けて、企業の「在宅勤務」急拡大!という見出しが踊りました。

そして小見出しには、

・働き方改革の「切り札」に、

・時短や育児両立期待、

・自宅で集中、

・中小企業には負担感
などの文字がありました。

具体的には、五輪・パラリンピックの混雑対策を巡る企業の取り組みとして、テレワークが導入される動きが起こっていることを伝えています。

■リコー : 五輪期間中、本社を閉鎖。2000人がテレワーク
■トヨタ自動車 : 期間中、東京地区の社員らは原則として在宅勤務
■富士通 : 今夏夏、グループ5万人がテレワーク
■レノボ・ジャパン : 期間中、特別休暇とテレワークを組み合わせ、社員は出勤しない計画

このような動きは、他へも波及すると思われます。この先1年の間に拡大することは間違いのないことでしょう。そして、その教訓を経て、そこで学んだメリットを基に新しい展開の導入は加速していくことと私は見ています。

最も危惧されることとは?

これらの進展が、雇う側の都合の良いシステムとなり、労働者の身分保障など、メリットが少なくなってしまうのはいただけません。引いては派遣労働法などと同じように、正規社員と非正規社員の分断や、非正規の増加による収入の減少に拍車をかけるようなことになれば、それこそ本末転倒と言わざるを得ません。

この先、事態を注視する思いで見守り、決して人件費の削減の企業の切り札にならぬよう祈る思いです。まだ、法律化前のはっきりとした政治や行政の関与が確立していない今にあって、最初のボタンの掛け違いだけは無くしてほしいものです。

詳しい就活情報

<管理人の泪です>

この間の出来事は、労働者の働き方に関する大きな転機を予感させるものです。皆さんも是非、大きな関心をもって見守っていただきたいと思います。まだ、法律による健全なシステム運営が確立していない状況下では、とうか、労使対等のフェアーな労使関係が可能となるように祈ります。



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