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超ブラック!日本の公立小・中学校の教師の労働時間はなぜそんなに長いのか??

この国の教師は奴隷である

日本の教師に教育の自由はありません。それは、学習指導要領の内容を教科書を通してまるまる1年間なぞっていくのが、この国の授業スタイルだからです。実にその多すぎる教科書の内容に教師たちはまるまる1年の労働時間を捧げているのが実情なのです。

ですから、この国では全国津々浦々まで、ほぼ同じ内容の授業が行なわれているのです。大都会東京でも、ローカルな田園地帯でも北国でも南国でも、関西でも海際でも、山奥でも、何故か同質の教科書による授業であります。

それは、教壇に立つ教師の雰囲気や個性の違いによって、そこそこ違う風に見えるだけであって、実は教育内容のファシズム(全体主義)といった状況であると言えます。というのは、教師に教育の自由はなく、教育課程の作成の自由もなく、「教育課程=学習指導要領」という実態からくる当然の帰結というべきでしょうか。

これで、一体何が起こるのかという問題

一見それは、教育の均質性が保たれて、地域間、学校間、教師間などでの格差が是正できていいことのように見え、あながち悪くはないという錯覚が起こるかも知れません。でも、実はそこには、大きな落とし穴があります。以下に詳しく見てみましょう。

そもそも全国津々浦々同じ内容の教育内容となると、その結果として何が起こるのかという問題をあなたは考えたことがあるでしょうか?

そこには、実に様々な悪しき結果が伴い、数ある中のその一つに教師の超長時間労働という問題も存在することになるのです。そう聞いても、あなたはおそらく、まだピンとこない問題であることでしょう。

教科書教育の弊害

この国では、教科書の隅々まで児童生徒に伝えることが教師には義務づけられているのです。そのことは、結果として、全国的な学力テストの実施が可能になるということを意味しているのです。小学校・中学校・高校がすべてそうですから、偏差値教育なるもの(OECD諸国に存在しない)が生まれたのです。

つまり、国中で学力テストを実施して数値的に優劣をつけて到達度を判断できるためには、その前提として、同じ内容の教育内容のものが施されていなければ成りません。これは今や私たち日本人にとってごく普通のことですが、実は、欧米先進国では、そんなことは普通ではないという事実をあなたはご存知でしょうか?

大学での標準学力テストなどができないのは、それぞれの大学での教育内容が違うからです。教育内容が同じだと、画一的な受験教育と学力比べがとても容易になるし、今全国の小・中学校で、その県や学校の順位と点数の1~2点の上がり下がりで一喜一憂している姿は、端から見ていると実に滑稽な状況があります。

全国の学校では、そのわずか1~2点という平均点を学年全体で上げるために涙ぐましい努力をしています。かくして、学校では朝の時間や帰りの時間など、あらゆる隙間の時間を使って問題を解かせて「学力を揚げる??」という取り組みが行なわれるのです。

教育内容が同じということは、受験のためだけに児童・生徒・学生は、その後役に立ちそうもないつまらない内容まで暗記することを余儀なくされて、大切な青春時代を消耗するということであります。

別の観点から言えば教科書教育とは、つまり答えのある教育のことであります。ですから、日本のテストの99%は教科書に答えが存在することになっています。それは、同時に学力が記憶力と同質の定義となったり、思考力ではなく暗記力が高評価につながったりする傾向を生むのは必然となります。

それはまた、個々人の能力に序列をつけるのにも効果的となり、受験のシステムとして結実しているわけです。これらはすべて、個々人のニーズなどはじめから無視したスタイルの教育を是としてきたこの国の教育の結果であり、同時に授業としては黒板に向かう一律一斉の大人数授業を可能にしたのです。

そうやって教師は、めでたくも国や教育委員会の奴隷(隷属する立場)として、国の教育支配の片棒を担がされるというシステムが完成しているのです。滅私奉公の長時間労働を費やしてまでの偏差値・受験のための、教科書的答えを求めての、狭く薄っぺらな暗記型教育の蔓延がそのことを物語っている。

教育のシステムを変えなければ、教師の労働時間は減らない。

昔から、言われてきたこのような日本型教育の落とし穴は、国家が教育を支配してしまった国の悲劇だとも言えましょう。学級規模を大人数のまま、時代遅れの安上がり教育が今尚続くこの国の国民は、「こんなのは教育とは言えない」という声を上げることが出来ないのはなぜでしょうか。

それは、私たち全体がOECD諸国などでの、全く日本とは違ったスタイルの授業内容の教育を体験したことがないからなのです。でも、はっきり言えるのは、日本の明治以来の教育システムはもはや時代遅れ(100年遅れ)のシステムだということです。

この国も、早く個々人のニーズを出発点とするような教育システムに切り替えるべきです。他との比較は基本不要です。そのほか、以下のような改革に大ナタをふるってみる必要があります。

〇大人数学級のままでは、当然、課題の後処理・評価などの事務量は増える。
〇教科書の法的拘束性を止め、学校現場と教師に教育権・編成権を返還してしまえばいい。

〇教科書は参考資料と位置づけ、個々人無償配布から学校配布へと変える。そこで浮いた予算を少人数学級へと振り向ける。つまり、教科書は一定数を学校に配布して、同じものを10年は保管しながら、毎年児童生徒に貸し出すシステムとすること。

〇そもそも、国が教育内容を決め、教育権を持つなんていう発想自体が時代遅れである。OECD諸国など先進国では、とっくの昔からそんなバカげた教育システムなど採用していない。今そんな事をしているのは、民主主義のない一党独裁支配のファシズムの国だけである。

〇教師は、長時間の奴隷的拘束を受けているという面では被害者的側面を持つ。そして同時に児童や生徒、学生に対しては、加害者的側面もあることを忘れてはいけない。その加害者的側面も一通りではないが、その内容に踏み込むと教育論の問題にもなってしまいそうなので、ここでは深追いは避けたい。

〇フィンランドなどOECDの先進国では、午後3時以降に教師が学校に残っているということは少ないと言われる。長時間労働が当たり前の日本の状況との大きな違いに唖然とするが、当然のことながらそれには訳がある。それらの国では教師たちに強制されていることが違うからである。

おおよそ、それら進んだ国の多くは、事務的な事や給食指導、教科書の使用やテストなどは必ずしも教師の義務ではないのです。

もちろん、部活の指導・顧問なんてものもありません。極端に言えば同じ学年の1組と2組では教育内容が1年を通して大きく違っていても構わないということ。すべては、教師のプロとしての自主性の範囲内で許されることになっている。

〇ヨーロッパなどでは、日本のような「塾」というものが存在しません。なので、「学校があるのに、どうして塾に行くの?」と理解も納得もしてもらえないそうです。塾の存在とは、基本的に日本の教育の歪みがあることを示すものであります。いわゆる「いい塾」も「悪い塾」も、発生の理由は学校教育の歪みに由来するのです。

教師主体の「教育」から、子どもの学び主体の「エデュケーション」へと変えるべき

「教育」という漢字は「え、む」という意味から成り立っていますが、ヨーロッパのエドゥケーションというものの概念は全く異なっています。

そもそも、「教育とは、教え育むものではなく、引き出すもの」という基本概念から始まっているのです。「引き出す」とは、子どもの中にある本来の力を引っ張り出すという意味です。日本のように、子どもにない知識を、教科書から教えくっつけるという概念ではありません。

日本でもこの本来あるべき欧州のような概念に立ち戻って、子どもたちのペースで自主的に学習する本来の教育に転換すべきでしょう。

教師の両肩に大きく乗っかったつまらない義務の多くは必要ないものとして排除し、学び手の子ども主体の「学び中心の教育システム」に切り替えることで、教師の長時間労働のかなりの部分が改善されることでしょう。

ここまで来てお分かりのように、この国の学校教師の働き方改革とは、国の政策が大きく関わる教育内容や授業システムの変革なしには実現しない性質の厄介な部分を内包しているというものなのです。

いかに、受験教育に流されない、子ども一人一人のニーズに沿った学び主体のエドゥケーションが実現されるのか、そこに鍵はあるのです。

「子ども自身の動機やニーズ無き教育には早くさよならをすること。」それがこれからの教育の課題なのです。

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