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公的ブラック偏差値No.1!中学教諭は、約6割が過労死ラインという事実

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平均数値 週当たり勤務時間   1日当たり授業時間   1日の授業コマ数
 小学校  57時間25分  4時間25分(265分)  約6コマ(45分授業)
 中学校  63時間18分  3時間26分(206分)  約4コマ(50分授業)

 

これは文科省の調査結果であるが、学校内勤務時間が週60時間以上の教諭が小学校で33.5%、中学校で57.7%という結果が公表された。週にこのペースで働くと、月80時間以上という労基法で言われるところの「過労死ライン」を上回る教諭がこれだけの割合で存在するということになる。これは、驚異的としか言いようがない。

そもそも、調査しなければ教師の勤務実態が正確に分からないという、そのこと自体の異常さを糾弾しなければならないと思う。このデジタル時代にそんなアナログな調査しかできないことが情けなくもあり、嘆かわしくもあるわけです。本来、管理職には労基法で言うならば、従業員の勤務時間を正確に把握しておく義務があるのですが、それさえもうやむやになっていることに驚きます。

まず、すべての学校にタイムカードを導入するべきである。それだけでも、かなりの部分勤務時間が把握できるはずである。今どき、タイムカードのない事業所など、そう多くはないはずである。

授業時数の多さ

新聞記事では、より中学校の実態にスポットが当たっているようですが、小学校も実は悩ましい問題をいくつも抱えているのが普通です。1日の授業時数が平均で小学校4時間25分というのは、一コマ45分の授業で考えれば、ほぼ6コマであり、教師は朝から夕方まで隙間なく授業をしていることになる。

小学校の場合、教科担任制ではないので学級担任としては6コマ全てが違う教科の授業になるわけです。そしてそれらすべてに事前の準備と、提出物の添削など後処理が付加され、同時にそれは学期末の評価作業へとつながっていくわけです。

一つ一つの教科には、教科書会社の出したカリキュラムがあり、ほぼそれにそって授業を行うだけでも、有に一年かかる内容量ですから、それが学校行事や天候(体育や理科など)、自分の出張などで欠けることもあるので、実情として教科書を一年で終わらせるのもスリルのあるギリギリ状態です。

学校の忙しさは教師たちの善意によって支えられている


教師は、授業だけで勤務時間を消化しているのではありません。煩雑な学級事務、テストの採点と評価作業、行事の準備等々、デスクワークがあります。


教師は、基本的に性善説の立場で、児童生徒について「こうしてあげたい」、「ああしてあげたい」と思えば思うほど、そのための仕事の量は自動的に増えていくのです。善意は仕事の量を無限に増やす原因でもあります。

学力向上の名のもと、文科省の政策で教科書の内容量が増加しただけでなく、小学校への「英語」の導入や「道徳」の教科化など右肩上がりの教育内容の増加は、当然、教師の多忙に拍車をかけることになります。

それらの多くは、教育という大きな観点からして、それほど意味のあるものではないと思われます。実際、教育大国として有名なフィンランドの教師たちが午後3時には退勤することが普通であるという事実を思えば、「仕事量=学力向上」の公式は成り立たないのです。

中学校の忙しさ

昔はよくこんなことが言われていました。
「小学校教師は5時までの仕事の濃密さで身体を壊し、中学教師は5時からの仕事(クラブ指導)で身体を壊す。」
それは今でも、あながち嘘ではないのですが、それよりも今日では、小学校も中学校も泥沼のような長時間労働の罠にドップリとはまってしまっているという状況が問題なのです。

中学校における、部活の過熱は昔から問題視される一方で、学校や地域、生徒やその保護者の期待を背景にどうしてもブレーキをかけられない状況にあるのが現実です。それは、もちろん土・日の練習試合や大会への参加など休日出勤ともつながるわけです。

また「部活」に関してはややこしい問題が付随しています。それは、教師の中には部活指導が負担になる教師がいるのと同時に、一方では「部活命」というほど肩入れの激しい教師もいるというこのギャップの問題です。

部活指導を通してこそ、生徒指導・生活指導が上手くいくという信仰のような感覚があるのも事実です。そこにも、教師の善意が働いているだけに問題は複雑です。

中学校は進路指導(高校受験)の重責を担っている

教師が、3年生の学級担任をするとなると、同時に進路指導の重責を担うという構造になっています。日本では高校受験というものがあるので当然そうなりますが、生徒がどの高校に通うことになるかは、その子の後の人生に大きな影響を与えることになりかねないので当然と言えば当然でしょうか。

子どもたちの「15の春」、「18の春」それらは共に受験との関係で言われる言葉ですが、日本ではそれが常識でも欧州では受験という制度そのものがない国のほうが一般的です。そう考えると、私たちも根本的に体制そのものを疑ってみるべきかも知れないですね。

対児童・生徒、その保護者対応は24時間体制

教師は、スーパーでもコンビニでも、何処へ行っても自動・生徒やその保護者に出会えば、「先生」として認識され、教師として対応することを余儀なくされる。もし、電話で連絡や相談があれば、「本日の業務は〇時で終了しました。恐れ入りますが、営業時間にお電話ください。チャンチャン」という対応は許されない。つまり、教師という職業は、24時間その仕事に拘束されているという点で特殊である。

子どもたちの視点からすると

今、学校は教師も大車輪のような仕事ぶりであると同時に、児童・生徒もストレスの多い毎日を過ごしています。毎日の気の抜けない濃密な受け身の授業は、子ども自身の自発的な内的課題に始まる学習ではないだけに、やらされている感が大きいものです。

このように日本の教科書中心の学習は、学習の楽しさや充実感がそがれる点であまり健全とは言えないと思います。それは、同時に低学力の児童・生徒を多く生み出して、授業からのドロップアウトや態度的に不適応現象を引き起こすことの要因ともなります。

そこへきて、低学力の原因は教科書内容の量が少ないからとして、教科書を厚くしてきた文科省のやり方は根本的に間違っていると考えられます。

授業以外でも中学校では部活や進学塾、小学校でも社会体育のスポーツや習い事、塾等々とても忙しいのです。塾について、欧州で説明しても解ってもらえないと言います。

「学校で学習するのに、何故、塾で同じことを学習するのか、意味が解らない」と言われてしまうのです。

地域の変化

地域の路地裏で子どもたちの遊ぶ声が響いていた時代は、遠い昔の話なのでしょうか。昔のように、学校以外では遊ぶことしか予定がなかった昔とは、時代が随分変わったのですね。現代では子どもも、大人もとにかく忙しいのです。

教師の労働実態のブラックさは、国の教育制度の誤りが原因

教師の勤務実態を改善し、国の教育を改善し、子どもたちに意義のある教育を行うのであれば、制度を変えてしまうのが早道である。
①まずは、学校職場は労基法の管轄のもとに組み込むことが必要である。この際、教職の特殊性は無視することが肝要である。
②教科書を限りなく薄くして、法的拘束を外し、教師を教科書から解放する。
③すると、全国一律の学力テストなどの意味がなくなり、県レベル、市町村レベル、学校レベル、学級レベル、教師個人レベル、児童・生徒個々人レベルなど、あらゆる比較の意味を無くすことで、無用な競走が無くなる。結果、多くの不必要な仕事が激減する。
④他との比較ではなく、子ども自身が自分の自己実現に向けた内発的な課題を発見して、その解決のための意味ある学習が成立する。

まとめ

〇学校は、超ブラックな職場である。
〇教師の勤務実態を、文科省が調べないと正確に把握できないというその異常さは、このデジタル時代にあって考えられないことである。まず、早急にすべての職場にタイムカードを導入することから始めよ。
〇その多忙さは、教師の善意で支えられている。
〇学校のブラックさの原因は、国の教育に対する考え方の誤りから来ている。
〇教師は24時間教師であることを強いられている。それが教職の特殊性である。
〇日本人の教育観を変えることが、この国のつまらなさを変えることになる。
〇学校は、子どもにとっても、教師にとっても夢のある場所として再生させることで、社会的にも意義のある場所となるはずである。

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