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パート・アルバイト、社会保険の加入条件は知っていますか?

社会保険に関しては、正社員の場合はほぼ自動的に加入する場合が多いので当たり前の事として、考えもしないでスルーしてしまいがちですが、それがアルバイト・パートなどの非正規労働をする人にとっては事情がかなり違います。

社会保険にはいろいろな側面があり、雇用保険・労災保険はもちろんですが、最もコアな部分が厚生年金部分と健康保険の部分です。そしてそれがもっとも考えなければならない重要な点だと思います。

  目 次
 ・そもそも社会保険って?
 ・パートやアルバイトの場合はどうなるのでしょう
 ・社会保険料の計算は、どうするの?
 ・アルバイト・パート・フリーターの実態は
 ・「厚生年金基金」「国民年金基金」とは、なに?
 ・年金をもらうのは随分先のことですが

そもそも社会保険って?

通常、会社に正社員あるいは派遣社員として採用されると、同時に社会保険に加入するということになります。社会保険は健康保険と厚生年金からなっています。

健康保険は病院にかかる時に、3割負担ですむためのもので、厚生年金は老後に貰う年金に関わるものです。

社会保険に加入しないときは、国民健康保険と国民年金(20歳から)を自分で手続きして支払うことになります。健康保険については社会保険の健康保険部分も国民健康保険も、医療機関の利用時には同じ3割自己負担で変わらない額の医療費になります。

ですが、年金の部分は一般的に厚生年金に長く加入しておく方が、国民年金よりも老後にもらえる年金額が多くなるので有利です。社会保険は、労使折半で半分づつ払うことになりますが、会社で源泉徴収されるので、給与明細を見ると自動的に引き去りがされていることがわかります。ですがその額はそうそう安いものではなさそうです。

 パートやアルバイトの場合はどうなるのでしょう

従業員が5人に満たないような 個人商店でアルバイト・パートをしている場合を除き、しかもその職場の所定労働時間、所定労働日数の3/4程度の就業実態が短期ではなく、コンスタントに続いているような場合には、その目安をもって厚生年金への加入義務が生じていると考えられます。

それは、事業主の選択的なものではなく、年金機構などが判断して決めることとあります。労基法上、1日8時間・週に40時間という所定労働時間というものが一番オーソドックスな定番所だとすると、あなたが平均して1日6時間以上で、月労働日数が15日以上のラインをクリヤーしているならば、おそらく加入はマルだと思われます。

ですが、一般的な傾向として、事業主はアルバイト・パートの従業員の厚生年金加入について積極的ではありません。なぜかと言えば、社会保険は支払いが労使折半となっていて、従業員が差し引かれる額面と同じ額だけの支出が同時に会社側にも生じるからです。

会社、労働者双方で出費がイタイという点で、微妙に利害が一致していて、加入手続きがおざなりのままとなっているケースが多いのと、経営者によっては、もともとそういった支出を抑えたいために、アルバイト・パートの非正規雇いの従業員に、正社員とほぼ同じ仕事内容を求めている場合も少なくないと思われます。しかし、それは違法です。

年金事務所は事業所(会社)に対して、定期調査・臨時調査を行い、労働契約書・タイムカード・賃金台帳・所得税の納付証明書で加入漏れがないかチェックします。そこでパート・アルバイトの労働時間と労働日数が上記の要件を充たしていれば、即時加入を求めるのです。しかも、この指導は年々厳しくなっているようです。
(ただし、個人事業主で、常時5人以上の従業員がいない場合は適用除外となります。)

加入の義務が発生した場合は、その日から5日以内に、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を年金事務所に提出することになっています。加入義務があるにもかかわらず未加入の場合には、未払い部分に関して追徴金が過去2年分遡る形で発生します。また、それだけでなく健康保険法の罰則として罰金を科されることもあるようです。

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社会保険料の計算は、どうするの?

保険料率の計算は、以下の3つの部分から成っていてやや複雑です。
①厚生年金保険料 18.3%(労使折半で9.15%づつ)
②健康保険料 都道府県ごとに異なります。東京都であれば28年3月~9.96%(労使折半で4.98%づつ)
③介護保険料(40歳以上65歳未満の場合、この部分が健康保険料に加算されて9.96%→11.54%となり、これを労使で折半することになります。)

通常、4・5・6月の給料の平均額に対して、厚生年金保険料率を乗じて金額をはじくのです。平成28年9月段階で「18.182%」でしたが、29年9月以降「18.3%」で固定となったそうです。これを労使で折半するので、個人としては半分の率になります。

ここで知っておきたいことは、規定には平均給与額に〇〇円以上という下限の決まりがない点です。給与が少なければ少ないほど、保険料の引き去りは堪えることではありますが、将来的な年金額で、国民年金よりも有利なことを考えれば悪いことばかりではありません。

試算してみましょう。月給10万円の場合
①部分…98,000円×0.183=17,934円(労使折半で8,967円)
②部分…98,000円×0.096=9,408円(労使折半で4,704円)※東京都の場合
③部分…被保険者が40歳以上65歳未満の場合には、上記②部分が以下のように変わります。
    98,000円×0.1154=11,309円(労使折半で5,655円)※東京の場合
[合計額]
通常(40歳未満の場合)8,967円+4.704円=13,671円
40歳以上の介護保険込みの場合 8,967円+5,655円=14,622円  

月給20万円の場合
①部分…200,000円×0.183=36,600円(労使折半で18,300円)
②部分…200,000円×0.096=19,200円(労使折半で9,600円)
③部分…200,000円×0.1154=23,080円(労使折半で11,540円)
[合計額]40歳未満の場合…①部分+②部分=27,900円
    40歳以上の場合…①部分+③部分=29,840円 

 

アルバイト・パート・フリーターの実態は

今どきは、非正規労働者の増化に伴い、国民年金(月額定額)の支払い猶予の措置を受ける若年層の数も増えているようです。

しかし、アルバイト収入が正社員収入よりも高いという想定はできにくいので、厚生年金+健康保険料を差し引かれても、市役所などでの手続きによる「国民年金+国民健康保険」の月額と比べて大きな差は出ないかもしれません。その場合、雇用者に交渉をして「厚生年金+健康保険」を引き去る方をお奨めしたいです。

例えば、配偶者との被扶養関係で年金料や健康保険料が免除されているなどの事情がなければ、自分で国民年金保険料(月16,260円=定額)とこれに国民健康保険料(これは所得によって計算)お払うことになります。

その場合、アルバイト・パートでの収入ならば、厚生年金+健康保険のほうが総額として低額になりそうです。ご自身の場合、一体どうなるのか計算してみてはいかがでしょうか?

「厚生年金基金」「国民年金基金」とは、なに?

「基金」という名が後にくっ付いた、それって一体どんなことなのでしょうか?まずはじめに押さえておきたい概念は、それぞれ厚生年金・国民年金と関係はあるものの、別物として加入する上乗せ部分だということをイメージしておいてください。

どちらも、その内容は複雑で、厚生年金基金は所属する会社の企業年金だと思えばいいでしょう。ただし、その会社がこの制度を運用していれば、自動的に社員は加入するシステムですが、会社にこの制度がなければ関係なくなります。

国民年金基金は国民年金加入者が個人的に口数で加入するもので、年金へ額の上乗せをするのための制度です。加入時の年齢によって掛け金額が違うので、シュミレーションをして、ご自身の額を検討してみるのもいいでしょう。

年金をもらうのは随分先のことですが

若いうちは、目の前の仕事に精一杯で老後のことには関心がなかったり、老後の必要性が実感できないために、対策が後手を打つ危険性があります。

でも、ある程度の知識さえあればシュミレーションもできるし、年金生活のお年寄りに尋ねてみる事も可能です。少なくとも、何十年も関心を持たず、知らないまま過ごしてしまうのだけは避けたいものです。

生命保険なども解りにくいものですが、一種の保険を掛けるようなつもりで年金基金に加入しておくのもいいかもしれません。

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<サイト管理人の泪です>

パートやアルバイトをしている方で、社会保険に加入できないものと思い込んでいる人が多すぎるように思います。それは、雇用者側も半分の支出を伴うために、積極的に推進したくないためだけのことです。

ですが、一定の条件をクリアーさえすれば、社会保険の加入はできるものなのです。働く人の権利として、ぜひ頭に入れておきましょう。

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