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自己分析とは「社会人基礎力」を伸ばすために行うもの

経済産業省は、「職場や地域社会で多様な人々と仕事していくために必要な基礎的な力」として3つの能力と12の能力要素を提唱しています。それは以下のようになっています。

前に踏み出す力(能力1)

主体性
働きかけ力(他者に働きかけて動かす力)
実行力(行動力)

考え抜く力(能力2)

課題発見力(課題を明らかにする分析能力
計画力(仕事の目的に至るプロセスを準備し、しくしくと進める推進力)
創造力(クリエーティブな能力)

チームで働く力(能力3)

発信力(自分の意見を伝える力)
傾聴力
柔軟性(意見の違いや立場の違いを理解する力)
情況把握力(状況の分析能力)
規律性(社会のルールを大切にする)
ストレスコントロール力(ストレスの発生源に対応する力)

自己分析をする

このような3つの能力に関わる12の要素が、完璧に備わっている人がいるならば、それは超人的かも知れません。ですから、その一つ一つについて自分に当てはめた時にどの程度の状態かをまず見極めてみることが大切です。

例えば、私が上記のことを自分自身について当てはめてみた時、

(能力1)「前に踏み出す力」では、「主体性」と「実行力」は大体オッケーだけど、「働きかけ力」でレベルがやや落ちる状態か。

(能力2)「考え抜く力」では、「課題発見力」と「計画力」はまずまずだけど「創造力」の点でまだまだである。

(能力3)「チームで働く力」では、6つの項目のうち「発信力」と「ストレスコントロール」の点が弱点である。そんな結果になりそうです。

そのように分析ができると、次の段階として戦略を組立てることが出来そうです。

どこを売りにする。
どこをさらに伸ばしていく。
どこの弱点を、どの長所を生かしてカバーする。
などの方法です。

それらのことがはっきりとしてくると、次は、自分がどのような人材を求める企業に向いているのかとか、自分はどんな業種や業態の職場に似合っているのかが見えてくると思います。

これらがすべてではない

ところで、経済産業省が出したこれらの提案は2006年からのもののようですが、すでに10年以上が経過していて、新たに定義し直したり、加えたりした方がよいものもありそうです。

特に、「チームで働く力」では、「発信力」+「傾聴力」+「柔軟性」=コミュニケーション能力のイメージと大きくクロスするように思われます。これほどに現代はコミュニケーション力が至る場面で求められている時代であります。

また、「規律性」という言葉の概念が「社会のルールや人との約束を守る」ことを意味しているのであれば、現在ではすでに足りない部分があるかも知れません。

企業人としても、すでに「正義感」や「コンプライアンス精神」が要求される時代だと考えられますし、「善良な庶民感覚」も必要だと感じられます。庶民感覚は大切にされなければなりません。

自分が特別だというエリート意識に裏打ちされた人間は、他者を見下して差別することが起こり得ると思います。それは、セクハラやパワハラにもつながり、将来的には男女差別、人種差別、部落差別、賃金差別などあらゆる差別意識に捕らわれた人生を送る、あるいはそれが元で自滅する可能性が高くなるでしょう。

「東大出身だから、すばらしい」なんてリスペクトするなどのこの国の誤った風潮は、早く無くさねばなりませんね。歪んだエリート意識の温床になってしまいますから。

現代は「多様性」に対する理解が求められる時代

例えば、トイレの例で考えると「男子トイレ」と「女子トイレ」が完備されていればそれでオッケーという時代ではなくなりつつあります。赤ちゃんのおむつを取り換えるスペースが必要だったり、車椅子であっても快適に利用できるスペースが必要だったりと、多様な用途に対応できる柔軟な考え方が必要です。そういう意味で男女フリーのもう一つのトイレスペースが必要な時代でしょうか。

世の中は、単に男性と女性で構成されているわけではなく、LGBTなどすべての面で多様な方向に進んでいます。そのような状況に適応できるリテラシー(対応力)が必要な時代でしょう。

モノ思考やステレオタイプ思考では、すでに時代遅れです。

純粋な好奇心とファシリテーション能力

「純粋な好奇心」はそれまで見えていなかった事柄やモノへの新しい発見を呼び、それはやがて新しいものへ発想力や創造力に繋がる可能性を秘めています。

また、人と人の考えや状況を上手く調整できたり、そこから新たな価値を引き出したりできるようなファシリテーション能力が備わった人は、現代社会を牽引する担い手になりつつあります。

最近では、会議などの形態も変わりつつあります。司会進行という形態からファシリテーションの形態へと移行するなどのことです。そうすることで、参加者が主体的に自分を表現できたり、リラックスして自己を高めることができたりするからです。

ファシリテーションの役割を担う人をファシリテーターと言います。ファシリテーター役というのは、教えませんが、支援し、促進する。場をつくり、つなぎ、取り持つ。そそのかし、引き出し、待つ。共に在り、問いかけ、まとめる。そんな役割をします。

参加者にとっては、自分自身で考え、学び、気づき、創造することを、促したり容易にしたりできる場となるわけです。

学校などの場でも、「参加体験型学習」として多く取り入れられるようになってきました。それも、ファシリテーションの手法を教育に持ち込んだ形態です。

時代は、ファシリテーターが求められる方向にあるのです。

まとめ

経済産業省の提案している3つの能力と12の能力要素は、裏を返せば、企業のもとめる人材像でもあります。ですから、企業に就活をかける際には、そのことを念頭に置きつつ、それではまだ足りない、新しい人材像にも自分をフィットさせていくのがイイと思います。

ファシリテーション経験などを積んでおくと、かなりのあなたとしての「売り」の部分にもなると思います。

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<サイト管理人の泪みつるです>

あなたは、これから未来に向けて動き出していく人材です。(「人材」とは企業から目線の人間の見方ですから、イヤなのですが)少なくとも、あなたは企業の大きな未来を担う存在なのですから、小さくまとまるよりもグローバルな立場から企業の未来に提言できるようになりたいものです。

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