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【公務員採用】市役所採用試験での「集団討論」のテーマ例


「個人面接」と、「集団面接」、「集団討論」

自治体によって面接の実施には違いがあり、主に、以下のようなパターンに分かれるようです。
◎「個人面接」+「個人面接」(2回目)
◎「個人面接」+「集団面接」
◎「個人面接」+「集団討論」
◎「個人面接」+「プレゼン面接」(少数)

ここでは、主に「集団討論のテーマ」について取り上げたいと思うのですが、まず大まかに「集団面接」と「集団討論」の違いをおさえておきましょう。

集団面接

「集団面接」は、複数人数(5~9人程度)を1組として同時に行う面接です。面接官は3人~6人で、面接時間は受験生が多いほど長く、少ないと短くなります。受検者が6人程度で約1時間程度というところが目安でしょうか。

「集団面接」の方法には主に二つあり、面接官の質問に対して受験者が順番に答えていくものと、挙手によるものの二通りです。どちらにも難しさがあります。前者には他の人の答え方や話す内容に影響を受けやすいという傾向があり、後者では、効果的に挙手して自分を印象付けないと埋没してしまいます。

評定項目は、主に以下の4点です。
①協調性:他者の意見の聞き方、考え方のバランス感覚など、集団としての調和性が問われます。
②積極性:引っ込み思案ではなく、積極的に自分の考えを述べる。
③表現力:明瞭な活舌で話し、適切な用語を用いて語る。
④態度:適切な服装、落ち着いた様子、礼儀正しく行動する。

集団討論

「集団討論」は、グループで、与えられたテーマについて行うディスカッション(討論)です。評定項目は主に3つで、
①貢献度:討論の内容に関してどれだけ貢献できるか。
②社会性:仲間との協調性、他者の立場に立って考えられるか、など。
③指導性:リーダー性や、大局的な判断力、全体を有効な方向に導くコーディネート能力。

のようなことです。

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集団討論のテーマ例

以下は、全国の自治体で実際に出題された集団討論のテーマです。
<自治体の抱える悩みに関するもの>
・少子化対策として大きな効果があると考えられるものはどういうものか。
・多くの商店街が衰退しているが、これを活性化する方策としてどのようなものがあるか。
・高齢者が住みやすいまちづくりをする際に最も大切なことは何か。
・待機児童をなくすための有効な対策について。
※地方の中小都市では、軒並みかつての中心商店街が衰退して、シャッター商店街化している状況にあります。これらは郊外型大型ショッピングセンターなどの進出により、ドーナツ化した都市に起こる共通の悲劇です。

地方中小都市では車社会化が顕著であり、乗り入れるのに便利な郊外型店舗に集客力が生じます。結果としてかつての中心商店街には客が集まらない、引いては居住する人口の減少という悪循環に見舞われています。

これに対する有効な対策にどこの自治体も頭を悩ませているわけですが、観光資源の活用や開発などによって活性化策をとるなどの努力はしていますが、効果の程は様々のようです。

都市住人の全体的な高齢化は、少子化とともに同時進行している自治体の悩みです。これは、同時に人口減にも直結するような社会問題でもあります。人口減少は、町の活力を奪い自治体運営の困難さを招く大きな要因です。

自治体は、これらの問題の解決に向けて熱く努力してくれるような人材を求めているようです。

<社会問題に関すること>
・若者層の失業率が高いことの背景とそれへの有効な解決策について。
・若者の自殺者が多いが、これへの有効な対策について。
・生活保護の支給額が最低賃金で働く人の収入を上回るという逆転現象が生じていますが、これへの有効な解決策はなんですか。
・自転車事故を防止する有効な対策について。

失業率や最低賃金の問題は、企業の体質も関係しますが、日本の労働行政の弱さがあって弱者を救えないでいる状況の問題です。この場合、パート・アルバイト・派遣社員などの非正規労働者や障碍者、若年労働者などが弱者です。

「失業率」「自殺者」「生活保護」「最低賃金」など、この社会の状況を判定するキーワードです。日頃から、私たちはこれらの話題に敏感になっておくことが必要ですね。

<産業振興>
・大型商業施設を市街地に誘致することのメリットとデメリットについて。
・大手企業の本社が△△市に移転した場合、△△市にどのような影響があると考えられるか。
・地産地消をさらに推進するためにはどうすればよいか。

※大型資本や大手資本は、大都市圏に集中しがちですが自治体はどこも企業誘致を行っています。それは、法人税が自治体を潤すことだけでなく、雇用が地域に生まれるなどのメリットもあるからでです。

「地産地消」の推進は食の安全面からも近年叫ばれることが多くなりました。地域で生産された作物を地域で消費することは、長距離輸送のコストを低減化することにもつながりますし、地域おこしのメリットもあります。ただし、一方では、全国的に広域な作物の輸送移動は活発に行われているのも現状です。

<市の将来像>
・〇△市が現在、優先して行うべき政策とはなにか。
・△〇市を住んでみたいまちにするためには、今後どのような取り組みが必要になるか。
・◎△市を再度訪れる人を増やすにはどうすればよいか。
・あなたが描く□△市の将来像はどうあるべきか。
・災害に強いまちづくりはどうすればよいか。

※先ごろ野村総研が全国100都市を対象におこなった調査によるランキングの結果では、人気度や将来性においてかなりの落差がありました。東京23区内の先進性を除くと福岡市の躍進の目覚ましさなどが印象に残りましたが、もっと小都市でも活性化を実現するような取り組みが求められます。

<国の政策と関係すること>
・原子力発電所の再稼働について賛成か反対か。
・消費税増税についてどう考えるか。

※国の政策は、国民がどのように政権政党を選択するのかということとも関連する問題です。原発問題に関して考えるならば、あの大企業の東芝が原発事業で大失敗したことに象徴されるように、もうすでに世界的には見捨てられつつある産業分野であるということを知っておくべきです。

日本だけが、このまま将来性のない分野にしがみつくことで招く損失は膨大なものです。早く欧州を見習って、自然エネルギーなど新しい分野へシフト換えしていくことを模索していくべきです。

消費税の問題は、悩ましい問題です。所得に関係なく一律の税金ですから低所得者ほど厳しい逆進性の強い税金です。給与が上がらない実感なき好景気だと言われる今、導入すべきであるのか疑問ですし、景気低迷の引き金になってしまわないのか、低所得者をどのようにケアしていくのかなど課題は多いように思います。

まとめると

ここにある集団討論のテーマ例は、現在のこの国の課題を網羅している感があります。新聞やテレビ報道などに市民として興味を持ち、教養としても常に考えておくこと、自分なりの考えを持っておくことが大切です。

また、ここに挙げたテーマ例以外にも、
・ハコモノ行政という言葉がありますが、これについてどう思いますか?
・住民に開かれた行政とは、どんな行政をいうと考えますか?
・あなたが考える地方分権とは、具体的にはどのようなものですか?
・お役所仕事といわれることをどう思いますか?
・住民が市役所に求めるものは何だと思いますか?
・◎◎市をPRしてみてください。
などのような、公務員試験特有なテーマも考えられると思います。考えておきましょう。

※「ハコモノ行政」とは、公共施設の建設にばかり重点を置く行政のやり方を揶揄した言葉。

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