自治体採用試験、競争率低下でやや広き門に?
新聞報道によると、全国の都道府県と市区町村が2016年度に実施した職員採用試験の競争率は、平均6.5倍だったとのことです。記録のある1994年以降では最低だったようで、その理由としては景気回復による民間志向の増加で受験生が減少していることが大きいようです。また、合格後の採用辞退も目立ったとあります。
全体で52万400人が受験し、合格者7万9945人
(競争率6.5倍で、辞退などがあり、採用者は合格者の77%となる)
その具体的な中身は以下のようになっています。
都道府県・・・・・・ 6.0倍 (実際の採用者は合格者の64.3%)
市と東京23区・・・7.0倍
町村・・・・・・・・・・・5.3倍
年による倍率の推移を見てみると、
2007年度・・・・・7.2倍
2008年度・・・・・7.5倍
--(リーマンショック)ーー
2009年度・・・・・8.6倍
2010年度・・・・・9.2倍
その後、景気の回復により徐々に受験者の民間志向が強まり、競争倍率は低下傾向にあるようです。
かつてバブルがはじけた90年代~2000年代前半には、競争率12~14倍という超高倍率だった時期があり、それに比べると1/2程度になって、今は随分門も開いた感がありますが、それでも6~7人に一人しか合格しないのですから、受験者にしてみれば決して楽とは言えない状況です。
新聞に滋賀県の採用試験では2016年、土木職22人採用予定に対して受験者が38人だったことが取りあげられていました。特に技術職は引く手あまたで少ないパイを官民で奪い合っている状況であると説明されていました。
民間で就活か公務員受験か
民間の会社に就職するか、公務員や団体職員を目指すか、はたまた別の道を行くか、20代には大きな人生の選択による分岐点があるものです。ですがもちろん、転職などして目標の設定を変更するのもありの時代です。
或いは、キャリアアップをはじめから計算に入れて、次の目標にジャンプしていく人もいます。通常公務員の場合は、長く勤めれば勤めるほど退職金も年金も有利に加算されます。取りあえず就活では両方狙いで活動して、結果によってどちらかに決めるということも多いようです。
チャレンジしてみる価値はある
東大出の高級官僚が、国会で虚偽の答弁をして不評を買う、また国会議員を陰で操り入れ知恵するなど、納税者たる国民に背を向けて自らの保身にはしるキャリア組のことなど、公務員に対する国民のイメージが良くないのかも知れません。
しかし、多くのヒラ公務員は善良で、それなりに公僕として市民のために頑張ろうと努力しているのだと思います。例え民間志向に傾斜の強い時期であっても、公務員が必要なことには今も昔も変わりはありません。
そういう意味では、むしろ今こそチャンスなのではないでしょうか。善良市民のために仕事を頑張るという気概のある人はチャレンジしてみてはどうでしょう。
面接・自己PR・志望動機
自治体採用試験の一次試験は6月、7月、9月とばらけていますし、内容もそれぞれに違いがあります。二次試験からの面接においてもいろいろなパターンがあり、細かくリサーチして準備を万全にすることをオススメします。
最近の傾向として一次試験合格の門を広めにとり、二次面接以降の選考を重要視する自治体が増えていると聞きます。その場合には、まず「自己PR」と「志望動機」が第一の関門となります。しかも、それぞれいろんな視点や方向から何度も質問されることが多いと聞きます。
ですから、面接準備はまず初めに自己PRと志望動機のいろいろなパターンの練習から始めてみてはどうでしょうか。
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