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裁量労働制拡大の問題点とは?

国会審議でも、「裁量労働制の適用拡大法案」に関する問題点が噴出して、大モメにモメていますが、あらかじめ想定されるブラック現象に対する手当や対策なしの拙速な導入は、必ずや大ごとの元となることでしょう。

今ある裁量制の法律では、弁護士や記者、TVディレクターなどの「専門職型」と企画や調査を担う事務系の「企画業務型」の2種類の職種に限定されていますが、それを営業職にまで適用拡大をしてしまおうというのが今回の政府与党の目論見で、それは経済界からの要求に応えたものであります。

上限なしで社員を酷使しても人件費が抑えられるこの制度は、企業にはありがたく、労働者には過労死促進制度となりかねない悪法である。

「違法に裁量制、社員自殺」の新聞記事

裁量労働制を対象外の社員に違法適用していたとして昨年、厚生労働省東京労働局の特別指導を受けた不動産大手の〇村不動産で、50代の男性社員が2016年9月に自殺し、長時間労働による過労が原因として労災認定されていたことが、関係者への取材で分かった。

把握された残業は最長で月180時間超あった。労働局は昨年12月に特別指導を公表したが、社員の自殺は明らかにしていない。

政府は、裁量労働制の適用拡大を今国会に提出予定の働き方改革関連法案に盛り込む方針だった。安倍晋三首相は国会で働かせ放題にならないかを追求された際、〇村不動産への指導を具体例に挙げ、「制度が適正に運用されるよう今後とも指導を徹底する」と答弁していた。

しかし、指導はできても過労自殺は止められなかったことが判明したことで、首相答弁にに対して野党が反発を強めるのは必至だ。

政府は、提出した労働時間に関するデータがあまりにデタラメであったため、審議の続行を維持すらできずに、働き方改革関連法案から裁量労働制拡大の部分を削除すると表明している。

関係者によると、東京本社に勤めていた男性社員が自殺し、遺族が労災を申請。労働基準監督署が調べたところ、認定基準を超える長時間労働が確認されたとして、昨年12月に労災認定した。

〇村不動産は約1900人の社員のうち約600人に企画業務型の裁量制を適用していたが、労働局の調査で、多くの社員が対象外となる営業活動をしていたことが判明した。〇村不動産は今年4月から裁量労働制を廃止するとしている。

この国の労働環境では、裁量労働制を拡大すると、雇用者の意識が残業を抑制する方向にはこれまで以上に働かなくなるとみて、まず間違いなかろう思われる。ようやく残業時間の抑制が議題に乗りつつある今日において、時代の時計の針を逆回しすることになってしまう公算がきわめて高いと言えそうだ。

「karousi」のある労働実態後進国「日本」を何とかしよう!

「karousi」が国際語として定着してしまったのは、この国の大きな不名誉なことであります。「スゴイですね日本」などという職人の技術礼賛のナショナリズムっぽいテレビ番組さえありますが、労働実態という影の部分をしっかりと見つめていかなくては、未来の光明は期待できないことを肝に銘じるべきでありましょう。

勤労者のためにならない、ふがいない政府・政治家をたたくことは必要ですが、私たち勤労市民にできることも同時に考えてみる必要はありそうです。労働者の防衛手段としての情報収集や、交渉力の拡大も期して力をつけていきたいものですね。

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