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市役所採用面接だからこそある特有質問

この写真は耐震補強の施されたある市役所の庁舎ですが、市役所は、住民と多くの場面で直接対面しての接点を持つ自治体です。それは住民(市民)との関りが、他のお役所よりも深いということを表しています。市民生活に欠かせない医療や福祉、教育などに関わる手続きはここで行います。また転居した際の住民移動届や、例えば自動車購入時の印鑑証明を取るなど、非常に日常的な場合の手続きも多くはそこで行います。

公務員全体の中で人数的なシェアが最も多いのが市役所職員ですが、それなりに自治体の抱える深刻な課題があります。市民の生活やその環境を健全に保つことはもちろんですが、具体的にはゴミ問題や観光振興、ふるさと納税などの税収問題、学校設置、医療費負担、保育園の待機児童の対策等々数えればきりがないくらいの問題が山積しています。

採用面接で出される質問の中には、市役所ならではの質問もあります。例えば以下のような質問が考えられます。

1.ウチの市をPRしてみてください

全国それぞれの市には、それぞれに特徴があり強みと弱みがあります。人口減少の問題や予算面での苦しさはほとんどの市政の抱える問題です。ここではPRですから、その市の積極面に目を向けていくことが必要です。

観光資源とその魅力、歴史的遺産や出身有名人などの人的遺産、環境保護や産業的強味などは言うに及ばず、行政サービスの積極面や特に力を入れている目玉施策などにフォーカスしていくことも大切です。

どのような話題を取り上げるにしても、その内容についての追及質問はさらに続いてなされることでしょうから、話題として出す以上はある程度調べて、自分なりの考えを持っておくことが前提です。

2.「お役所仕事」と言われることをどう思いますか?

「お役所仕事」という言葉の内包するニュアンスとは、もともとあまりいいものではありません。住民の希望や期待に対して杓子定規の対応に終始するようなことだけでは満足を得られないことからくる市民からの批判です。

市民は困りごとで市役所に相談をする場合が多いのですから、対応がお役所仕事であっては当然市民感情は良くなるはずがありません。市民目線に立った、血の通った行政サービスというものが常に求められていることは肝に銘じておくべきことでしょう。

また、お役所と言えばよくある対応で上司の決済がなければ何も動けないガチガチの組織状況があるというイメージです。そしてそのスピード感が民間に比べて非常にノロいということも市民の怒りに触れたりする点です。

もともと市民感情として、「テメエ等、どうせ税金で飯食ってんだろう。それならば住民の要望にもっと前向きに答えろよ。」という意識があります。それはある意味正論です。ですから、もっと市民目線で要望を受け取る気持ちがなければならないということはあると思います。

ただ、予算は民間のように経営者の気持ち一つで即決されるものではなく、議会審議を通じて予算が認められないことには執行できない性質のものですから時間はかかるものです。市民の要求と議会での決定を仲介する仕事が市役所職員の一つの役割です。

3.住民が市役所に求めるものは何だと思いますか?

市役所の仕事は非常に広範で複雑多岐にわたります。市民フロアーで窓口がたくさんあるのもそのためです。また、それだけではありません。市の行う事業、例えばゴミ焼却場、水道局など、また市役所の管理する施設や公共工事には、必ず多くの産業分野の業者が絡んでいます。

公共の入札の仕組みを通じて利益を賭けて参入してくる業者にとっては、それこそ死活問題であるかもしれません。市役所組織の枠組みや構造は自治体によって若干のちがいがありますが、本質はよく似ています。

通常の市の場合は、<部→課→係>の流れで構成されているものと、選挙管理委員会・教育委員会・農業委員会などのいくつかの委員会組織から成り立っています。それが規模の大きい政令指定都市になると<局→部→課→係>の流れとなり、他に区役所組織が下に加わります。

例えば政令都市では、大体において以下のような局が設置されています。
・市長室 ・企画局(室) ・危機管理室 ・財政局
・広報局(室):市民参加の推進、パブリックコメント、情報公開、男女共同参画、市民相談etc
・保健福祉局:高齢者福祉、健康づくり、生活保護、国民健康保険、国民年金、介護保険、斎場、そのほか

・こども福祉局:児童福祉、乳幼児関係、児童手当、要保護児童の福祉、放課後児童対策etc
・環境局:ごみ処理・資源化、環境美化、環境保全etc

・産業振興局:商工業・農魚業の振興、中小企業の支援、観光振興、コンベンション事業の推進
・建設局:道路、下水道、河川・公園などの都市整備、維持管理、災害復旧、防災関係etc
・建築(住宅)都市局:都市計画、住宅政策、耐震化問題、都市景観、市営住宅整備 etc
・港湾空港局:港湾・空港施設の管理、整備、
・消防局 ・上下水道局
・交通局:市営バス、市営地下鉄の経営
・病院局 ・教育委員会事務局 ・選挙管理委員会事務局
・人事委員会事務局 ・監査事務局 ・農業委員会事務局
・区役所

これらすべての事業内容の各段階で、市民生活に関係の深いつながりがあるのと同時に、多くの民間企業の生業が複雑に絡み合っているものです。至る所に利害が深く絡み合っていて、各界各層に市役所に求める思いがあるということになります。

従って、市民の要求や願いは幅広く、ただフェアーに公平・平等な運営が必要なことは間違いありません。

4.「ハコモノ行政」という批判についてどう思いますか?

箱物行政が特に問題となったのは、かつての高度経済成長時に作られた行政の大型施設がバブル後の緊縮財政下では管理していくだけでも財政を圧迫して立ち行かない問題や、老朽化の問題が深刻となっていることなどです。

また、それらの施設の存在理由が問われることもあります。そもそも必要なのかという問題です。市民の利用が少なく閑古鳥が鳴くような施設ではよくそんな問題が起きますし、平成の市町村大合併直前に駆け込みで作られた施設が30年を超えた今、問題となるような場合もあります。市町の広告不足や、価値の啓蒙不足が考えられる場合もあります。行政のPR下手からくるものでしょうか。

しかし一方では増えている施設設備もあります。子どもの福祉や学童の放課後クラブなど需要の多い分野では当然拡充が急がれているのです。高齢化社会に向けた対応の一翼を担う公民館など多面的な用途に必要な施設もあります。事業や施設が増えると建設費、管理費は増えるわけですから厳しい判断も伴います。

いずれにしても、何でもかんでも箱物を作ればいいという時代はとっくに過ぎていますが、どうしても必要な部分については良く精査した上で作るという時代なのです。

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5.住民に開かれた行政とは、どのような行政手法のことを言うと考えますか

〇NPO法人などをはじめ、幅広い住民参加が高い比率で行われていることや、民間とのコラボレーションが盛んに行われていて、民間活力を十分に取り入れたウインウインの関係が成立していること。

〇要望に応じて、迅速な対応ができる体制にあること。(お役所仕事の払しょく)
〇住民の納得を追求する自治体の姿勢がはっきりとあること。(お上意識を捨て去ること)
〇公募や、透明性のある事業運営がなされていること
etc

6.地方分権の促進にはどのようなことが必要だと思いますか?

地方分権と言えば、「道州制」という言葉が頭に浮かんできますが、要は地方が自治的に自立できるかどうかにかかっています。そのためには、それぞれの地域の税収が十分に安定して確保されて、国に頼らない独立心が必要です。

明治以来、長く続くこの国の長すぎる中央集権式地方支配の構造は早く終わらせないといけないと思います。

7.コンパクトシティについてどう思いますか?

ウイキペディアでは、「コンパクトシティ(英: Compact City)とは、都市的土地利用の郊外への拡大を抑制すると同時に中心市街地の活性化が図られた、生活に必要な諸機能が近接した効率的で持続可能な都市、もしくはそれを目指した都市政策のことである。」とあります。

個人的には、私はこの考え方に大賛成です。ヨーロッパの都市をイメージすると分かり安いと思います。そこでは、大体町の中心部が一番にぎわっていて、中心地にある広場は多くの人でにぎわっています。日本の地方都市の多くは中心部がシャッター商店街となっていて都市化は郊外の方で進み、いわゆるドーナツ化現象というものが顕著です。

コンパクトシティが大半の欧州では、人は中心地に近い街中で縦に住んでいる状況だからです。そこでは、町の中心に戸建て住宅などはほぼありません。その利点はインフラ整備が広範囲に広がらないのでコストが少なくて効率的に済むという点です。

上下水道、ガス管、電気、道路などすべてがそうです。

8.環境問題と家庭ゴミの有料化についてどう思いますか?

たいていの自治体では、分別ゴミの専用袋は有料だと思いますが、粗大ごみの回収や産業廃棄物の処理などは、当然のことに有料でしょうが、環境問題と隣り合わせの問題です。分別ゴミは資源化やリサイクルという収益化の流れにはあるというものの、黒字化は難しいと考えられます。

この国もかつては街中のアチコチに投棄されたゴミが山積していたものです。今でこそゴミの分別が進み、行政がそれをサービスとして回収するシステムが確立してはいますが、税金でどこまでも無料で回収サービスができるというわけではありません。そこで考えられるのは、行政サービスと有料部分のコストバランスをよくすることだと思います。

これら、市役所採用面接によくある質問に対しては、それなりの考えを各自が持っておく必要があります。別段に正解があるわけではないので自分なりの考えをまとめておいてください。

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