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発達障害と仕事での困り感、採用をめざして



あなたは「発達障害」という言葉や概念を知っていますか? 当事者の方はもちろんお解りだと思いますが、一般にはまだ浸透していない内容です。今日、学校教育の分野では、特別支援教育の対象として発達障害児の教育も盛んになってきました。

しかし、大人社会においてはまだまだ制度や支援体制が対応が十分ではないと言えます。人は、ある年齢に達すると就職や起業など何等か生業とする仕事を探すという時期がくるものです。その時に発達障害の方については、通常とは違った特有の様々な問題に遭遇することが起こってきます。

多くの場合、職場でのコミュニケーションが上手く取れないでこ孤立したりとか、障害の特性からくるうっかりミスが治らずに、周りの人から信用を失うなどマイナスとなるハンデを背負う場合が多いようです。極端な場合は会社をクビになるようなケースも聞きます。

発達障害の区分

1.自閉症スペクトラム(カナー症候群・アスペルガー症候群)
2.ADHD 
3.学習障害(LD)

発達障害は、上記のような大きく3つに分類されていて、1自閉症スペクトラムはさらに大きく「カナー症候群(古典的な自閉症)」と「アスペルガー症候群」に分類されるようです。

 就業場面で、まずもってよくあることとしてADHDの場合とアスペルガーの場合について若干考えてみましょう。

 

ADHDとアスペルガー症候群

これらは、どちらも生きにくさを抱えて生活されているという点では共通していますが、その特徴はそれぞれに違いがあります。

ADHDは、注意欠陥多動性障害と訳され、見た目で多いのは「おっちょこちょい」「そそっかしい」「落ち着かない」「片付け下手」などのイメージです。

周りから見てうっかりミスが目立ち、作業の優先順位に反して思いつきで行動しやすく、仕事の効率が悪い。あるいは他の事へ意識がそれてしまい大事な仕事が終わらないなどのことがあります。中には、多動性や攻撃性が優勢になるような人もあります。

アスペルガーの場合はその特徴として、俗に言う「場の空気が読めない」ということや、何かその人特有なこだわりが強く、そのルーティンに固執しやすいなどのことが言われます。


したがって、直接の接客を要するショップ店員など、相手のニーズを敏感に感じ取りそれに合わせた対応をするなどの能力が求められる職種は向いていないと考えられます。

複雑な人間関係や対人スキルが要求される職場環境よりも、単純な規則性で環境が成り立つような職場で、研究職やコンピュータープログラマー、システムエンジニアなど、工業分野で興味関心の高い領域の職業に就くなどのことに向くと考えられます。

ただし、濃淡こそあれ対人関係が存在しない職場はほとんどありませんから、仕事の内容はよく本人とマッチしていても対人関係でつまづくというケースは多く、これらの障害に対する周りの理解と支援は必須であると思います。

支援は積極的に受けていいのです

私は、公的機関や専門の就職支援機関などの援助は躊躇せずに利用すべきだと思います。できるだけ早く障害者手帳を取得して、障害者枠での就活を目指すのも一つの有効な方法だと思います。

成人になるまで自分の特性に気づかずに、困り感を抱えて生きにくい状況で過ごすより、できるなら子どもの頃から早く診断を受けて、いろいろな支援のもとに成長していく方がよいでしょう。

尚、障害者手帳はできるだけ若いうちに、早く取得することをお勧めします。それが学童期にとれるものであればさらにベターでしょう。早くから専門機関との連携を考えるとよいでしょう。

ここにきて、パソコンで検索すれば発達障害に関する専門の就活サイトもヒットするようになってきました。人口の数パーセントの割合で発達障害の人が存在するということが分かっているのですから、社会全体としての対応力が増していくことは絶対に必須だと思います。

障害を抱えながらも前向きに生きる事、そして社会や周りの人がしっかり支える事、この両輪が上手く機能していけばことは開けてくる、そう信じたいものです。

書店を覗いてみると、今ではこういった発達障害に関して分かりやすくガイドした書物がとても増えたように思います。以前はあまりなかった新書本にもそのような課題を扱っているタイトルの本が目に付くようになりましたから、それそこ手ごろな価格で手に入るようになりました。また雇用者側にも、それらを使って理解を深め、是非対策してほしいものですね。

注:ここでは「障碍」ではなく「障害」の文言を使用しています。

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