私のフリーター体験記

　＜rionさん　２６歳　女性＞

チラシ政策会社にて

私の場合は、入社から半年間は研修だったり、社員さんの補助だったりとアルバイトとしての業務しか行っていませんでした。ところが、ある有能な社員さんが鬱病で退職することになり、その穴を埋める為に私が抜擢されたのがきっかけで、大きく仕事の内容が変わりました。

毎日１２時間を超える勤務時間、且つ週６日出勤に休日出勤など、これまでのフリーター生活では体験したことのない事がそれはもう沢山ありました。唯一救いだったのが残業代とボーナス（多くはありませんが）あった事、そして貴重なスキルが身に付いた事でしょうか。

それは私にとって壮絶な２年間でしたが、そのおかげ？で、しっかりと貯金をすることもでき、その資金を元手にして東京へと上京することができたのです。

パソコン関係の仕事がしたいという希望で東京にやってきた私ですが、フリーター且つチラシ制作会社で培ったスキルしか持っていない私でした。ですから、いきなり正社員というのはハードルが高いと感じ、とりあえずアルバイトをすることにしました。そこで入社したのが自社ECサイトを運営しているベンチャー企業でした。

そこは少数精鋭の会社でしたが、社員同士の仲は良く非常に居心地のいい環境でした。でもよかったのはそれだけで残業代は出ない、なのに仕事量はめちゃくちゃ多い、そしてここでも週６日勤務で、疲弊するのに時間はかかりませんでした。

あれだけあった貯金もかなり減り、このままでは駄目になると思った私は、その会社を辞める事を決意したのでした。

ECサイト運営会社を辞めてから１週間経ち、次はどうするかと考えていた私に一本の電話がかかってきます。それは東京に来た時に登録した派遣会社からでした。

派遣社員のイメージが良くなかった私は受ける気はなかったのですが、話しを詳しく聞いてみると時給は高いし福利厚生もしっかりしてる、これはやってみてもいいのではと思うようになり、そのまま派遣社員として働く事になります。

初めは慣れない環境に悪戦苦闘しましたが、アルバイトより稼げるし無理な残業もあまりなく残業代もしっかり出る。しかも有給もあるしこれはいいなと思いながら日々を過ごしていました。

そんな順調な派遣社員生活でしたが、４年目に突入した時にふとある考えが頭をよぎる様になりました。このままでいいのかと、本当にこれが自分がしたかったことだったのかという思いです。

多くはないけれどもアルバイトするよりは収入は安定している、周りからもいい評価をもらっている、でも何故か気分が晴れない。本当に自分は何をしたいのか、よく考えてみることにしました。

そして、出した答えは４年間の派遣社員生活に終止符を打つという事でした。

現在の私は、在宅ワークをしつつ、たまに短期のアルバイトをする生活をしています。収入は減ったし安定もしていない、生活も楽ではなくなりました。ただ精神的には非常に楽になり、楽しく自由気ままに過ごせているので、この選択をしてよかったと今は思っています。

これからの事を考えると不安にはなりますし、フリーターに対する風当たりは強いのも確かです。

しかし一度きりの人生ですし、会社に属して疲弊してしまうぐらいなら私はフリーターでもいいじゃないかとこれまでの経験から思う様になりました。

この先どうなっていくのかは分かりませんが、自分のやりたいことを模索しつつ頑張っていけるようになればいいと思っています。

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