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就活者は、「定年退職」をどう考えるのか?  「ゴール前 伸びる定年 老い越せない」の川柳に笑えないリアルさがある

■今、就活者のあなた!「定年制」というものについてどう思いますか?

もともと、日本企業や日本社会の常識的な慣行として「終身雇用」と「定年制」という二本の柱は非常に大きなセット要素でした。もちろん、今も健在な部分も大きいのですが、非正規雇用が大幅に増えた現在では、その恩恵を受けられない労働者人口が爆発的に増加しました。

「企業の正社員」となり→「厚生年金」と「企業年金」を積み立て→「定年制」により無事退職を迎えると→悠々自適の「年金暮らし」という人生の構図は崩れつつあるわけです。しかし、ならばこの人生の方程式にうまく乗れないあなたは、どう考え将来設計をすべきなのでしょうか?

まだ、まともな会社に就職・転職もできていないのに、定年のことですか? と、とても考えが及ばない様子のあなた、まさに「それどころではない」のかもしれませんね。しかし、これは老婆心ではありますが、私は、あなたには老後対策の一環としてこれらのことを是非視野に入れた職業生活を送ってもらいたいのです。

そこで、あなたにとって少しでも有利な人生におけるシュミレーションをいくつか提供しますので、是非それを見逃すことなく、最後までお付き合いお願いします。特に現在の身分としてアルバイト・パートなどの非正規労働者の方には必須で最後まで読んで欲しいと思います。

■非正規雇い(パート・アルバイト)でも社会保険の対象となる

今、あなたはどんな状態ですか。正社員? 非正規雇い? それとも失業中の無職状態でしょうか。

会社に勤めることによって加入すべき社会保険の中身は、健康保険と厚生年金、それに労災保険・雇用保険です。ところが、雇用者がアルバイトやパート労働者に対してこのことを履行しようとしないケースが非常に多いということを、よく知っておいてください。

しかし、例えあなたが正社員ではなくても、1日の労働時間、1月の労働時間が正社員の所定労働時間の4分の3をクリアーしている場合、立派な社会保険の対象者になり得るという決まりがあることを知っていますか?

その保険料は、もちろんあなた自身か給与の中から天引きという形で支払うことになるのですが、同時に雇用者も一定割合(50%)持ち、加算されるということになるのです。そうなると、特に年金の部分で定年後に受け取る金額が大きくなるというメリットがあります。

それは、もしあなたが国民年金加入者として同じ額・同じ回数の額を収めた場合と比べた時、歴然とした受け取り年金額の差を生じます。だからこそ、厚生年金の優位性を知っておいて欲しいのです。それに加えて、さらに余裕があれば共済年金基金と企業年金(大きな会社では)をプラスして正社員は老後の安定のために備えるというわけです。

ここで、壁になりそうなことはもともとの給与の額の低さです。下手すると生活を圧迫してしまいそうだからです。実はそのためにこそ賃金を上げるための交渉というものが必要なのですが。

■定年が後ろに伸びたらどうなるのか?

今時は、正社員でも65歳定年の方向にシフトの変更は一般化しつつあります。それは、いくつかの理由があります。

〇少子化の急速な進行で年金生活者を支える労働者人口が減ったことで、国が年金の支払い開始時期を遅らせることで対応しようとしていること。つまり、超高齢化時代に瀕して国は少しでも年金の支払いを少なくしたいのです。

〇企業側にも事情があります。中小企業では、若手の集まらない人手不足を高齢者の労働でカバーしなければ立ち行かないという事情もあります。

〇また一方では、給与が伸びない上に老後の生活基盤を持たない非正規労働者が増えたために、否応なく何歳になっても働くしかない人々が爆発的に増えたという事実もあります。ただし、60歳を超えた人の新たな雇用(定年後の雇用継続ではなく)には、多くの企業が冷たい態度を示し、門前払いの状況が横行しています。

このような状況を踏まえて、少しでも老後のあなたが将来どうありたいかをイメージしてみてください。今はイメージする練習を時々することでいいと思います。「老後の安定なら公務員」という定番の発想ではこれからの時代難しいと思いますが。

■若いあなたには「ピンとこないこと」 現実として60歳を過ぎたら、どうなる?

還暦とはよく言ったもので人間、60歳を過ぎるころから、何故か身体のアチコチにガタがき始める。足腰に弱りを感じてウォーキングを始めてみたり、テレビの健康番組を真に受けて健康ナンチャラ法なんてことをやにわに始めてみたりということも起こります。

友だちと会えば話題は勢い病気や病院の話、検査や薬の話に花が咲くようになります。自慢話でもあるまいに、何故か薬自慢、病院自慢のような流れになったりするわけでなのです。

そんなことって、まだまだ若いあなたにとってみれば想像もできないことだと思います。それはつまり、人間いつまでも若くないということです。それでも働いているという人は、たしかに多いのですが、60歳過ぎてからの働き方くらいは自分らしく自分で決めたいものですよね。そう思いませんか?

若いうちに楽して、面白おかしく暮らしていこうと考えるのか、それとも若いうちに頑張って働き、老後に楽な人生を送ることに全力を注ぐのか、普通はどちらかの可能性が高いのでしょうか。

いやいや、それともあなたは、若いうちからお金を儲けて、老後も楽しくラクして暮せるような商才やスゴ技の才能があると自負できるような強運をお持ちなのでしょうか?

時代は、一部の金持ちと多数の低所得者に二極分解するという事態が進行しています。一億総中流なんてことが言われた過去の時代もあったようですが、それも煙のように無かったことになってしまいました。

この国の政府では、まだ国民全体を幸せに導くような賢明な方法を手に入れてはいません。ですから、あなたはこの先50年間を想定したイメージをもとに人生計画を構築されてみてはいかがでしょうか。それでも、私は国民年金・厚生年金など公的なものにはすべてペイしておくべきだと思います。

年は取りたくないものですが、あなたにもやがては老いが必ずやってくるものです。まずは人の名前が思い浮かばなくなってきます。
この人、名前は何だつたっけ?
あのドラマの女優さんの名前は何だったっけ?
・・・・・・・・・・・・・・
ほらほら、あの人の名前はなんだったけ。

アレ、ソレ、コレの多い日々と、イメージははっきり頭に浮かんでいるのに、名前だけが出てこないなんてことが日常茶飯事になってきます。口惜しいことですが、毎日が失念と思い出し作業を繰り返すリハビリのような日々となるのです。

ですが、難しい病気でも患うことがなければ何とか元気に生活ができ、身体がそこそこ動く間は仕事もできないことはないという状況でしょうか。

■若いあなたが、今考えるべきこととは?

◎あなたが、正規の就職先(転職先)を探そうと思っているのなら、就活サイト・転職サイトに複数登録してみることをおススメします。それは高額な買い物をする前の「合い見積もり」のようなものです。一つのサイトやエージェントでは、他との比較ができません。客観的な比較のためには比べる対象が必要です。

◎あなたが、もし起業を目指していたり、自由業で身を立てたいと望むなら?
その場合、多くは初めの開業資金を貯めるために、一定の期間どこかに努めながら、うまいタイミングを模索することになることでしょう。あるいは、副業で資金を貯めることもあるでしょう。

しかし、そうそうすべてがうまく行くとは限りません。起業は一種の賭けでもあります。それを成功させるために、あなたは当初寝る間も惜しんで、有益な情報を探したり研鑽を積んだりする必要があります。何かの分野で人より秀でた部分がなければ、収益が生まれないことも多いことですから。

福岡市のように「起業特区」として、何等か支援をしてくれるような自治体もあるようですが、他でもそんな支援をしている自治体や資金援助など自治体の取り組みも探してみるといいかもしれません。行政は利用できる分、利用し倒すのが鉄則と心得ましょう。

大概は、〇月〇日までの期間限定付きでの募集などとしていることも多いですから、まずは問い合わせてみることです。とにかく、起業をするということは、すべてあなたの肩に責任がかぶさってくるということですから、心して進んでください。

■あるのか?「定年制」に代わる論理とは?

「定年」とは、年金の受給資格との関係で重要なポイントですが、一方で体のいい首切り制度の側面もあります。また、定年から年金受給年齢になるまでの空白期間をどうするかの問題があります。

それでは、「定年」という制度や概念を否定したらどうなるのでしょうか。もちろん、自営業の方であれば、自分が後継者に後を任せて隠居するとか、儲からないので廃業するなどによって定年的なものは自分で選択することになるでしょう。

しかし、通常の会社で「定年制」そのものを廃止すれば、会社は年寄りばかりで老害が蔓延することになるかも知れません。若い世代を新に雇い入れて社員をそうそう増やせないでしょうし、また若い人が入ってこないので年寄りでカバーすることはあるでしょうが、そんな会社に将来性があるかと言えば、かなり疑問も持ちます。

通常、各世代がまんべんなく存在する方が良いというイメージですが、この先はそうばかりもいかないでしょう。IT産業などでは社長自体がグット若いですから。

私個人としては、定年制はなくしてもいいと思います。一人ひとりが自由に働き、自分で決めて自由に仕事を止めても年金受給額は生活に困らない額が出るならばという前提ですが。

その前提が崩れて危ういのが今時ですから、せめて個人年金などの防御策や、何らかの形で不労所得の確保も目指したいものです。また、何かの資格を活かしたアルバイト的な収入をサイドビジネスとして持ちたいとも思います。

若いあなたの時点では、老後の話はぴんと来ないのも仕方がありませんが、せめて私の老婆心から出た、この記事を心のどこかに留めておいてもらえたら幸いです。

■これからあなたがするべきこと(まとめ)

今しなければならないことが、まず就活ならば、複数のエージェントやサイトに登録して見てください。極力正社員を目指して頑張ってみましょう。

人手不足、就活売り手市場などと言われ、残業の上限規制らしきものが、かろうじて施工されました。表面的にはやや労働者に追い風が吹いているかに見えます。しかし、それは表面的なものにすぎません。経済界はいつでも首切り合理化で、奴隷的契約の労働者を雇いたいとチャンスを虎視眈々と狙っていることを絶対忘れないでください。

企業は、いつも正社員の首を斬り→非正規労働者にすげ替えるなど、安い労働力を奴隷的に効率

よく使い回したいと狙っています。これからは、労働者も賢く対抗していく手段を求めていくことが大切な時代となることでしょう。

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