ホントはこうだ!就活裏話のエトセトラ!学歴偏重はあるのか?
「就活のバカヤロー」という光文社新書を読んでみました。そこから得た情報を以下に紹介してみましょう。読者のお役に立てば嬉しく思います。
目 次 |
エントリーシートでの失敗
以下は、ある学生のエントリーシートに書いた文言だそうです。
「御社の賞品が跳ぶように売れる様子を見て、御社、キャノンをもっと大きくしていきたいと思うようになり応募しました。」
この文に何かおかしい点はありませんか? 指摘してみてください。
正解は 「御社」×→「貴社」〇、「賞品」×→「商品」〇、 「跳ぶ」×→「飛ぶ」〇、「キャノン」×→「キヤノン」〇 となります。 |
エントリーシートは、その企業とのファーストコンタクトになりますが、ここでの誤字脱字はまさに命取りとなってしまいますので要注意です。
こんな例もありますから、気に留めておきましょう。
ブリジストン → ブリヂストン
野村証券 → 野村證券
フジテレビ → フジテレビジョン
日本テレビ → 日本テレビ放送網
松下電器 → パナソニック
(文書では)御社、貴社、御行 → 貴行
(文書では)お父さん、お母さん → 父、母
志望動気 → 志望動機
雇客満足 → 顧客満足
専問的 → 専門的
・会社名などは、正式なフルネームで書く。
・口頭での表現と文書での表現をゴッチャにしない。
・誤字脱字は禁物。
気をつけたいポイントです。
面接での嫌われる表現
・「私は納豆のように粘り強い人間です」式の表現は嫌われる。
この表現のように「〇〇のように××な人間です。それは、■■能力があるからです。」というすでに使い古された定番な表現であるからです。自分らしい、自然な表現のほうがベターです。
※そもそも自分自身のことを、「〇〇な人間」という規定の仕方はしないほうがよい。それは、自身ではなく相手がその印象を通して規定する尺度である。
就活情報から得た、定番情報に飛びつくと複製(コピー)人間が続々と登場し、面接官はまたかとウンザリしてしまうのです。
・「私は、きびしい家庭環境のなかで育ってきました。」
※がんばったのは君ではなく、親のほうではないか。
・「貴社の〇〇というドラマが好きで、あのような人々を感動させるようなものを作りたいのです。」
※「単なるファンの一人か」という印象を与える。
・「大学時代はずっとアメフト一筋でした。よろしくお願いします。」
※「体育会系は有利」神話に頼り過ぎ。
・「私はアメリカに6年間住んでいました。」
※帰国子女であるというだけではアドバンテージではない。
企業は、「珍しい体験」や「大学時代の実績」を買おうとしているのではありません。これから成長しそうな人、社会人基礎力のある人を求めているのです。
企業側には「学歴偏重」は確かにある!
ぶっちゃけの話であります。
「就活のバカヤロー」(光文社新書)には、こう書いてあります。
~~以下引用~~
結論から言おう、「学歴差別は多少あり、ただし学生側に原因多し」だ。
某大手保険会社の総合職採用は、明確に学校差別を行っていることで有名だった。名目上は自由応募になっていたが、選考の際には学校名による選別を行っていて、採用基準に当てはまらない学校名のエントリーシートはすべてダンボール箱ごと処分していた。
このように、表向きはオープンなスタンスをとっておきながら実は学歴差別を行っている企業は、金融業界にかぎらない。企業イメージや採用スタンスとは関係なく、一見善良そうな企業が行っているから注意が必要だ。
たとえば、教育関連の出版社、人材ビジネス会社などは、企業メッセージとは裏腹に、学歴差別の常習犯である。当然、それがわかると槍玉に挙げられるので、カモフラージュする手段を用意することもポイントとなる。
たとえば、SPIはよくカモフラージュの道具に使われる。エントリーシートの選考や面接とセットで、SPIなどを実施する企業は多数ある。そうしておいて「総合的に判断します。」ともっとらしいことを言っておきながら、実際には大学名で切り捨てているケースも多々あるというわけだ。
また、学歴差別採用は日本の大企業だけではない。学歴差別とは無関係、と学生が信じて疑わない外資系企業のほうが実は顕著である。学校名による選別を初期段階で行うことにより、採用効率を高めているのだ。
~~引用ここまで~~
このように読んでくると、採用に関する表向きと裏の実態が見えてきて、日本社会(企業社会)の汚さが感じられ嫌な感じがします。国の労働行政が弱いからそうなるということも確かにあり、もちろん改善の余地はあります。
採用者側の企業からすると、受験の難関を一度は努力して突破した人材を採用するほうが、結果として当たり外れが少ないなどの事情があり、受験にあたっての努力と成果が一定のアドバンテージとして評価されているのです。
それにしても、大学時代における成長や実績よりも、難関大学に入るための過程と結果だけで、採用が判断されるということにも憤りを覚えるのは私だけでしょうか。
コラム情報
<採用者側から見た大学のランク:主に関東の場合>
◎東大、一橋、早稲田、慶応
〇明治・青山学院・立教・中央・法政
△「日東駒専」(日大・東洋・駒沢・専修)
関西なら「産近甲龍」(京産大・近畿大・甲南大・龍谷大)
▲「大東亜拓桜帝国」(大東文化大・東海大・亜細亜大・拓殖・桜美林・帝京大・国士館大) 関西では「摂神追桃」(摂南大・神戸学院・追手門学院・桃山学院)
※学生自身に無意識のうちの「学歴じゃんけん」の意識がある
※採用担当者の多くは、△の大学を最低ラインであると考えているらしい。
※慶応のゼミ(研究会)における社会人との交流・接触の機会の多さなどは、コミュニケーションを鍛える場となっており、結果的に就活に役立っている。
※理工系大学(豊田工業大学・芝浦工業大学・金沢工業大学・東京農業大学・東京海洋大学など)は、外との接点が多く、就職にも強い。
※法政大のスパルタ講座(自主マスコミ講座)出身者は就活に強い。
しかし、学歴差別だけがすべてではない
日本中には、地方を含めていろいろな大学があります。単科大学など分野や目的を絞って就職に成果を上げている所もありますし、地方各県には国立大学も存在します。
面接官に魅力ある人間だとの印象を与えることができれば、学歴差別をクリアーできることもあります。たとえば応募者のうちで多数の割合を難関私大の学生が占めたとしても、採用側としては採用枠のうち全ての人数を少数の難関私大の学生で埋めるわけにはいきません。
学歴差別があまりにあからさま過ぎると、批判のやり玉にも上がりSNSでの炎上もあり得ます。
ですから、こんな場合はどうなのでしょう。60人の面接枠で応募者のうち50人が難関A私立大学生、10人がその他私大と地方国立大の学生だったとしたら、どうなるか考えてみましょう。
5人の採用をするとして、そのうち4人を某難関私大からとり、残りの1名をその他の大学から取るとしたら、
某難関大学は4÷50=0.08(8%)、対してその他大学は1÷10=0.1(10%)となり、確率としてあまり変わらない、あるいはその他大学の方がむしろわずかながら有利ということにもなります。
面接においては、その人の大学時代に身に着けた能力が物を言います。いろいろな社会的経験を重ねて、学生以外の人に対するコミュニケーション能力などが向上いている人材は就活でも強くなれるはずです。大学生活はせっかく時間的に余裕のある時期なのですから、ゲームや遊びばかりで無為に過ごしてしまうのではなく、生産的な意義ある活動・行動をしてそこから多くの事を学び取っておくことが必要です。
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