*

内定後の「入社誓約書」という憂鬱!?


それはそれは大変だったあなたの就職活動。その結果、なんとか無事に内定にこぎつけることができたあなた? さて採用までの空白期間には、何をして楽しもうかと浮かれ気分のあなた、旅行でもしてリフレッシュがてらに4月から始まる社会人生活に備えるとするかとワクワク気分のあなた。でも、そうそう浮かれていられますか?

内定の決まった会社の求めに応じて、その後の就活を止めた途端、インターンシップとしての出勤をしているなんてことはありませんか? また、突然手渡された「入社誓約書」の高圧的な文面に暗くなったりしませんか。実は私の娘もそんな状況にあります。娘本人には、どうやら口頭で内定が伝えられたようで、「裁量労働制による採用だとのことです。」

私は、それを聞いてドキリとしました。裁量労働制の改正にあたっては先の国会でも随分ともめたものでした。政府は裁量労働の枠を広げたいあまりにウソのデータまでも出して、あたかも働き方改革の一環でもあるかのように装っていましたが、野党には非常に不評でした。

それは、「裁量労働」という口実を隠れ蓑として、残業代を払わずにどこまでも労働者をタダ働きで酷使できるからです。電通の高橋まつりさんの自殺で社会的に問題となったことから、働き方改革が大きく叫ばれてはいるものの、まだまだ企業は隙さえあれば、そのエゴイズムをむき出しにして、自民党政権を自分たちの利益のために使うことは止めていません。

入社誓約書の半端ないおぞましい内容とは

私の娘はITベンチャー企業に内定したものの、正式な文書での内定通知書は送られてきておらず、労働条件の通知など労働者にとって重要な情報は伝えられないまま、ある時、「入社成約書」を手渡されたというのです。

その文書を私も見てみました。すると予測はしていたもののかなり高圧的な文面がそこには記されていたのです。以下に、14条からなるその入社誓約書のいくつか気になる条文についてコメントしてみたいと思います。

  第3条
 「貴社の就業規則その他諸規程、指示、命令に従うこと、規律の遵守」について書かれています。

 

この内容は、労使対等の精神から逸脱していると考えるべきであろうか。会社の「雇用」や「給与」と社員の「労働」が対等に見合っていなければならない。常に、雇用者が指示、命令を出す主体であり、社員が常に指示、命令に従うだけの客体であるという設定のあり方は、すでに先進国に後れを取っている。

特に裁量労働制の雇用であるならば、社員自身の労働に関する主体性が担保されているはずだから、論理的に矛盾を孕んでいると指摘せざるを得ないところである。

 第8条
 「業務都合による出向の場合は、その期間中貴社を退職することなく誠実に勤務すること。」が求められています。

 第11条
 「業務の都合により勤務内容、勤務場所その他就業条件の変更があっても異議を申し立てないこと」が求められています。

 

これらは、この国では当たり前のことかもしれないが、高度に契約社会である先進国では考えられないことです。転勤や出向など、重要な勤務場所の変更は労働条件の大きな変更であり、欧米では労働契約を作り直すのが常識である。それが会社側からの要求であれば、それなりの引き換えとなる好条件を提案すべきでありましょう。それが対等な契約というものの本来の意味であるはずです。

このように、この国では労働契約上の労使間の力関係が健全に保たれていないと思う。だからこそ労働組合というものの存在があってしかるべきなのですが、労働者自身がその権利をドブに投げ捨ててきたという経緯が続いていると言わざるを得ないですね。是非とも再考してみたいものであります。

「会社が強くて当たり前」は時代遅れ?

もういい加減にこの国も世界の常識的程度には進歩して欲しいものです。そう思いませんか? いつまでも「井の中の蛙」状態であってはいけません。労働契約のあり方然り、学校教育の在り方然りなのであります。この国は、月とスッポンほど遅れてしまっているのですから。

人は、どのような職場であっても、そこでの人間関係によって楽しかったり辛かったりするという側面があります。しかしながら、その土台には労働契約があり、その内容の良し悪しによっては、トラブルの時に不利益を被ったりすることになりますので、あなたも決しておざなりにすることなく契約内容を研究しておくようにしましょう。
 就活・転職情報

 

関連記事

自民惨敗、都民ファーストの会は、ほんとの市民社会を確立できるか?

私たち勤労市民(労働者)にとって、自民党政治は何の恩恵うも与えてくれない政権であることを御存

記事を読む

35才からの転職サイトでの就活体験

  (E.スズキさんの転職体験) 私は39才男性です。妻と息子が2人います。 私

記事を読む

差別的企業倫理と権力者のウソを撃て!

8月3日の新聞には珍しく刺激的な記事がいくつも並んでいました。私たち真面目に働く勤労市民にとって

記事を読む

「この20余年の間、平均年収上昇が低迷しているのは日本だけ??」って本当か?

今の時代、年収が上がらないのは当たり前?? 私たちは、「こんな時代だから、給与が上がらないのは

記事を読む

若手社員のOB・OGからのメッセージ紹介いろいろ

各業界で頑張っている若手のOB・OGさんからの就活生へのメッセージを少しばかり集めてみました。

記事を読む

賃上げ企業の減税拡充(政策)は効果ありやなしや!

11月に政府が打ち上げた政策 新聞報道によると、「政府が2018年度税制改革で、3%以上の賃上

記事を読む

転職、U・Iターンの魅力はどんなこと

「転職」と「U・Iターン」どちらが先にありき? Uターンによる転職の場合には、仕事の内容や条件

記事を読む

衆議院選挙を前にして、政局が荒れている

 庶民が正しく切れる時 今、北朝鮮問題や中国との尖閣諸島にまつわる諸問題、ロシアとの領土問題な

記事を読む

テレビドラマ「就活家族」に寄せて

テレビドラマ「就活家族」を見ていると、視聴者はついつい自分の身の上と引き比べて身につまされる

記事を読む

会社説明会解禁!今年は売り手市場?

企業のおごりで懇談会[/caption] 就活はほんとに売り手市場? 3月となり、就活生に

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「就職氷河期世代」を集中支援、政府の新しい方針は功を奏するのか?

このところ政府は、骨太方針のポイントの一つに「就職氷河期世代」を集

映画「誰がために憲法はある」を見てみたい

  ある新聞の第2面に、映画「誰がために憲法はある」を監督

2019.4月 今年も大学生に人気の企業ランキングが発表されたが…

就活情報会社マイナビの調べですが、今年も世間に名の売れたおなじみの

「経済ゼロ成長」だった平成、そして来たるべき令和の時代に若い君はどう生きるのか?

この数年間というもの、政権はいつも景気好調をアピールしてきました。

就活者は、「定年退職」をどう考えるのか?  「ゴール前 伸びる定年 老い越せない」の川柳に笑えないリアルさがある

■今、就活者のあなた!「定年制」というものについてどう思いますか?

→もっと見る

  • FutureNetで副収入
PAGE TOP ↑