東京地裁、「名ばかり管理職」でコ■ミに制裁金
新聞によりますと東京地裁は、コ■ミスポーツクラブ(東京)の元支店長の女性が、権限や裁量のない「名ばかり管理職」だったとして未払い残業代などの支払いを求めた訴訟の判決で、同社に残業代約300万円と労働基準法違反への「制裁金」として付加金90万円の支払いを命じたとあります。
この件と類似した問題は、世の中にたくさん隠れているように思われます。というのも、この件に関する労基法の規定が、かなり曖昧だからです。
労基法は、「給与などで相応の待遇を受け、労働時間に自由裁量がある管理監督者は残業代の支給対象外と規定している」のです。
ここを、企業は悪用しようとする意図が働くようです。ですから、その店長や支店長という管理職?と言われる人の仕事の内容が、実際にはどれほどの権限を持ち、労働時間においてどれほどの事由な裁量が効く立場にあったかということが、争点となるのです。
今回のコ■ミスポーツの場合、地裁の見立てが「名ばかり管理職(店長)であった」との結論から、このような判決に至ったわけです。この結果を見て、もしかしたら自分の場合もこれに当たるのではと思う人が多いのではないでしょうか。そう、あなたの場合です。
コンビニエンスストアーの店長などに、これと似た状況が多いとの話を結構聞くことがあります。
2018年2月~3月の国会審議で大きくもめた「裁量労働制」の問題もこれにとても酷似した内容です。給与が一定以上あるからといっても、労働時間の管理は雇用者の裁量によって大きく規定されます。
この国の労働環境では「5時ですから、私はお先に帰りまーす。」とは、そうそう簡単にはならないものです。
労基法の不備?
私は思うのですが、これらの諸問題は労基法の不備からくるもののように感じます。管理職とは、本来、経営に関して一定の権限があることを前提としているべきです。だから、名ばかりのの店長ばかりが増えて、実際は何の権限もないのに、長時間のタダ働き労働が強要されるという悪循環の温床となってしまうのです。
ですから、労基法に「経営に関する権限のない店長職等は、単なる職階であって、管理職にはあたらない。」と規定してしまえばいいのではないでしょうか。それだけで、未払い賃金で泣き寝入りをしてしまう労働者が大幅に減ることでしょう。
さて、そんなところにも目を向けて法律の改正のために尽力してくれる政党はあるのでしょうか。そんな政党を育てることも有権者の勤めでしょうか。法律によって労働者がきちんと守られている欧州のような社会を目指したいものです。
<管理人の泪です>
もし、あなたの状況がこの記事と似たような状態にあるとしたら、あなたの街の労働基準監督署や労働局の方へ是非相談に行かれてみることをオススメします。
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