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就活者!教職採用を目指すあなたへ

教職は,果たして聖職なのか?

あなたが教師を目指す動機はきっと素晴らしいものでしょう。例えば、「子どもたちの成長を支援し、それを見守っていきたい。」とか、「自分の夢を子どもたちに伝え、子どもたちが夢多き人生を送れるように実力を付けさせたい。」とか、「共に語り、共に遊び、共に学ぶ。」等々、そんなことがあなたの夢でしょうか。

しかし、教職は聖職などでは断じてありません。本来仕事というものは、すべてが尊いものであって、教職だけが特に突出しているものであるはずがないのです。まさに、職業に貴賤を設けてはなりません。そんなことをしてしまうと、無意味な優越感や差別の根源となってしまいます。

幸いにもあなたが無事に教師になれたとして、教師である限りにおいては、あなたの本来の動機はいつまでも大切にして欲しいと思います。それが全てあなた自身に始まる崇高なものだからです。

ただし、もう一つの現実、この日本という国の教育の実態というものを把握しておくことにしましょう。

そもそも、この国の学習場面(俗に「授業」)は子どものニーズや教師の発想からは出発しません。すべては授業という名のもとに、「教科書」が出発点なのです。だからこそ、「さあ皆さん。教科書〇〇ページを開きましょう。」という始まり方で、全員の一律一斉授業というものが可能となる要因でもあります。

欧州の先進国の小学校などでは、実はそんな授業など、とっくの昔からほとんど行われてはいません。そこでは、教科書が教育内容を決めるのではなく、教師と学び手である子どもが自分の学びの内容と学び方を決めたりするのです。

教科書はあるにはあっても、それを使うことが、必ずしも教師に強制されているわけではないのです。全体的に、ざっくり言って「日本は教授型」で、「欧州は学び型」と言えるでしょうか。

日本は「教師が教える教育」、欧州は「子どもが主体的に学ぶ教育」

この違いは実に大きくて、日本では、一律一斉の受け身の授業にさえ、適応できないドロップアウト児童が常に一定割存在してしまうのです。大人であるあなたならわかるはずです。主体的な動機のない学びなど誰もしたくもないのではありませんか?

例えば、あなたが何かについて気にかかるような動機が生じて、それについて知りたいと思った時、あなたはどうしますか? 辞書を引きますか。人に聞きますか。それともネットで調べますか。

どれも多分正解であり、そこに学びが発生する理由があります。それは、あなた自身に始まる動機なのであり、あなたこそが解決しなければ気が済まないような学びの出発点があるはずです。

まさか、そんな場合に回りくどく教科書なんかを探したりはしないはずです。あなたは、そんなことより自分の知りたいことにつながる、最短の情報やノウハウ、ハウツーなどを得ようとするはずです。


教科書教育は明治以来続く、この国の悪しき特徴

この国では、インターネットの時代になってしまった今でも、教科書教育を止めようとはしません。教科書はますます分厚くなり、これでもかと言うくらいに内容が増え続けています。

1年間の授業時数をすべて使って、やっと教科書を消化しきれるかどうかのギリギリの線でそれは作成されているのです。ですから、学校行事で授業ができないとか、台風で学校が休校になったとか、インフルエンザで学級が閉鎖されるなどのアクシデントがあると、授業時数がピンチになったりするのです。

テスト範囲まで授業がたどり着くのに精一杯で、自主編成の授業など投げ込める余地などなく、その点で教師に求められる資質とは、優秀な教科書マシーンになりきれるということでしょうか。

教科書教育は、学力テストという魔物を生み出した

「学び」は本来個人的な動機から導かれる結果であって、一律に順位を付けたりするべきものではありません。それが、この国ではどうでしょうか。全国一律一斉のテスト(学力調査)が行われているのです。

それを可能としている状況とは、全国津々浦々の子どもたちが同じカリキュラムで学習しているという教育内容が高度に管理されているということと、教師が物言わぬ無力な状態で管理されているということに他なりません。

かって、健全な知識人層や教職員組合の発言力が強かった時代はこんな状況にストップをかける勢力となり得た時代がありました。ところが、今は「学力向上」の美名の元に、「そこのけそこのけ、学力向上様が通る」という雰囲気です。

こんなテストをやった日には、1番からビリ番まで、順位と序列が付くのは当たり前じゃありませんか。そうして、その数点を引き上げるための「学力向上」という名目の過重負担がまたぞろ、繰り返されるわけです。そして、その動機なき学習結果としての学力状況が、情報公開の美名のもとに公開され、無駄な競走を煽ることになるのです。

点数で順位を決めれば、必ず競争は必須となります。もはやこれを教育と言うべきかどうか、国民的課題として考えたいものです。

口酸っぱいようですが、もう一度言います。この国では、教師に教育内容を決める権限がありません。教育内容は教科書(=学習指導要領準拠)そのものと決められてしまっているからです。そんな教育独裁国家なのです。


教職員の残業代は労働基準法の適用から除外されている

教職員の異様なほどに多い残業時間が、やや問題になりつつあります。教職員給与は、労働基準法に左右されない、別な法律によって規定されています。それはなんと、ばかばかしいことに、教員にたいしては、基本的に(特定4項目以外には)残業をさせないということになっているのです。

現実として学校は今や、不夜城のごとく遅くまで職員室の明かりは消えず、さらに家に持ち帰ってまで仕事をしている教員にとって、残業代が出ないのはあまりに不合理だと言わざるを得ません。これでは、過労死問題や過労自殺問題が起きかねません。

私は、これに関して労働基準法をそのまま適応すべきだと思います。ばかばかしい法律はとっとと廃止してしまうことです。残業の部分だけとってもかなりブラックな職場であることは間違いないですね。

そのブラックさの9割以上の原因は、教科書主義の教育内容が労働時間キャパシティーの2倍?以上はある状況から来ているものと思います。

これらの状況を踏まえて、あなたがそれでも教師を目指すのであれば、是非このような状況を変えるための努力をされんことを期待してやみません。

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