「自己紹介」と「自己PR」、本質的な違いを検証する
女性アナウンサー、小島慶子さんの話
ヤフーニュースに人気アナウンサー小島慶子さんの就活失敗談がありました。それは、アナウンサー試験での面接の際の失敗した話です。
フジテレビの面接で、自己紹介を求められた小島さんは、「私は好奇心旺盛で協調性があり、リーダーシップのとれる人間です」という風に始めたのだそうです。おそらく彼女は、自分の協調性やリーダーシップのある理由や具体例などを話し、最後も「だから、〇〇なのです」という具合にまとめたのだと思います。
それは、丸暗記式に練習したとおりの完璧?な出来だったのでしょう。ところが、他の応募者は「自己PR」ではなく大学での部活や、ゼミの内容、趣味など、まさに通り一遍のことを述べるだけで、話に緩急もなければ工夫もないもので、面接官からたくさん質問を受けていたというのです。
小島さんはそれをみて自分の合格を確信したのだそうですが、結果は真逆で彼女の方が落ち、合格したのは平凡な自己紹介の人たちだったというのです。
小島さんは、何を失敗したのでしょうか?
私が思うには、小島さんは当初「自己紹介」と「自己PR」の違いを理解していなかったのではないでしょうか? 自己紹介とは、基本自己をPRする場ではなく、その人物についてのキャラのアウトラインを紹介して、面接官への話題提供や、接点などを披露して話のとっかかりを作るものでしょう。
例えば、「〇〇大学✖✖学部で、▲▲ゼミに入り……」と話せば、大学の話題にに関して面接官の質問を受けたりするかもしれません。「趣味は読書で…」と話せば、質問として「最近読んだ本で影響を受けた本はありますか?」と会話がつながっていくことでになるでしょう。
そんな自然に会話が発展するような状況の方がいいわけです。
それで小島慶子さんはどうしたか
フジテレビの試験に落ちた小島さん、TBSの面接での自己紹介では「実は昨日フジテレビの面接に落ちまして…」とヤケクソになってありのままの状態を話したのだそうです。すると、「へえ、大変だったね。で、君はなんで落ちたと思うわけ?」なんて話が弾み、あっという間に15分の面接が終わったというのです。その結果晴れて合格して、TBSアナウンサーになれたのです。
彼女いわく、以後丸暗記式の紹介は止めて、「昨日こんなことがありました」とか、「今日ここに来るまでにこんなことを考えていました」など自由な思考で話すようにしたら、楽になり、その後の面接に落ちなくなったというのです。
「私は協調性のある人間です」と抽象的に自己PRをするよりも、他者と関わるエピソード体験を話すことで、その人の人物像が断然リアルに相手に伝わることもある。すると、相手が自分に興味を持ってくれて、いろんな質問ももらえるようになる。そのように、あなただからこその個人的な質問がくることって、案外と大事なことかもしれません。
たいていの人は、コミュニケーションが苦手?
確かに今の社会はコミュニケーション能力が問われる時代です。だからこそ面接に際して完全武装をして、コミュニケーション能力をアピールしようとするとガチガチの鉄板アピールになってしまう。それもまた問題です。
面接には、いつも相手につけ入る隙間を開けておいて、うまくそこへ質問を誘導するくらいのことができればOKです。そのためにできるだけあなたの素の部分を相手に見せることが必要です。ところが、そこが心理的に難しいところでもあります。
人は丸腰で相手とやりあうことに恐怖も覚えるものですから、どうしても武装しようとするのですね。でも、捨て身で相手の懐に飛び込むようなつもりでいくのも時には効果ありということでしょうか。
小島慶子さんの経歴
タレント、エッセイスト、ラジオパーソナリティー、TBSアナウンサー30期生。オーストラリアパース在住、2児の母でもある。
1972年オーストラリアパース生まれ、父親の仕事の関係で幼少期をシンガポール、香港で過ごし、日本に帰国後、日野市立三沢台小学校、学習院女子中・高等科へ進学。学習院大学法学部政治学科卒業後、1995年4月、TBSにアナウンサー30期生として入社する。
<アナウンサー時代の出演番組>
・オールスター感謝祭リポーター
・日立 世界ふしぎ発見ミステリーハンター
・ニュースフロント
・時事放談
他、多数
<サイト管理人の泪です>
たいていの場合、人の成功談よりも、失敗談を聞くことの方がためになるというのは多いように感じます。そこに人間味を感じられるからでしょうか? テレビ「情報ライブミヤネ屋」でブレイクした川田裕美アナも就活では、連戦連敗で最後に読売テレビに引っかかたというような話を聞いたことがあります。その最後の面接も破れかぶれのものだったそうです。この川田アナ、スキップが異常に下手クソという思わぬことで話題(有名)になっちゃいましたけどね。
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