働き方改革!正社員と非正規労働者、「同一労働同一賃金」の行方は?
最高裁が「賃下げ容認」
長沢運輸(横浜市)を定年退職後に嘱託社員として再雇用されたトラック運転所の鈴木三成さん(64)は、「同一労働同一賃金」を求め訴訟を起こしていた。定年退職前と嘱託職員での仕事の内容や時間に全く変りはないのに、給与や手当がカットされ、500万円を超えていた年収は380万円に大きく減ったというのです。
最高裁の判断は、格差の妥当性を判断するには定年後の再雇用という事情も考慮すべきだというもので、その上で「格差の大部分は不合理ではない」との結論を示したとあります。私などはこのような判決に絶望的な憤りを禁じ得ません。
この事例にはいくつもの日本社会の歪みが反映されている
1.政治的歪み
このように保守ガチガチの政権が長く続いているこの国では、官僚も裁判所も政権とその政党に対して、日々忖度することに明け暮れていて、主権者たる国民のことをまったく振り返らないという歪みは非常に大きい。最悪の忖度社会状況なのであります。
2.「同一労働同一賃金」の必然性に逆行している
「働き方改革」の大きな根拠となる柱である、「同一労働同一賃金」という理念を非正規労働者だから諦めなさいという本末転倒した理由になっているのです。本来の働き方改革は、この逆の考え方からくるものです。
つまり、正規社員だろうが非正規社員だろうが、派遣社員だろうが、パート・アルバイト社員だろうが
関係なく労働の質によって賃金のあり方を決めようというものです。この改革の本旨を全く理解しない裁判所の態度に「時代を逆行させることを許さない。」という罰を与えなければなりません。
3.総ての労働者に敵対している
これは定年退職者に限定された差別賃金の問題ではなく、若い世代のアルバイト・パートにも派遣社員にも、結婚や出産子育てなどで非正規労働に転換した女性等にもすべて当てはまることです。「正社員でないなら諦めろ」という最高裁のスタンスです。
この国の憲法の理念である、国民主権にも生存権にも違反した時代遅れの化石のような最高裁判所など、国民に敵対するものは必要ない、イヤイヤそれでは言葉が足りないです。必要ないどころか、ホントに邪魔(ジャマ)なのです。
まさに、この国の状態は「病膏肓に至る」(病コウモウにいたる)ってヤツでしょうか。そんな意味で、この国に必要なことは真の意味での「革命」と「改革」なのかも知れませんね!
こんなに福祉の遅れた国でありながら、正当な賃金さえ保証できない政府なら、国民はトップをすげ替えて国民に従う政府を作るべきでしょう。あなたもそう思いませんか?
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