明日は我が身!「コロナ自殺の闇」があなたを飲み込むかもしれない
■コロナ禍の路上生活者の山、さらには極寒の冬が人の命を奪う
私はテレビでの報道を見て驚愕した。
代々木公園などでは、路上生活者や生活困窮者にパック入りの粗末な弁当を配っていた。ある男性へのインタビューでは、二日ぶりの食事だということだった。
その男性は5月に物流関係の仕事から派遣切りに遭い、家もなく携帯料金も払えず、背広も買えないので就活さえ出来ないのだという。12月の寒さの中、靴下も履けないサンダル履きのまま、公園の硬いベンチに横になり夜を過ごすのだという。
眠れるわけがない。そうなるとネガティブな考えが頭の中をグルグルと巡るようになる。
最悪な精神状態に落ちていくことになるだろう。
いつの間にか「死んだほうがましか」という思いがその人の心を支配することになる。
もともと人間の心はそれほど強いものではない。
当たり前のことだが、コロナは社会の底辺にいる人々を厳しく襲っているのだ。年末に豪華な食事会をしている首相や、忘年会にコンパニオンを呼び会食したとかの、どこかの市議のような生活安定者には厳しく襲いかからない。
いつの世も社会の底辺にいる人々にひずみはでるのだ。
こんな時に「国は何を考えているのか!」 と叫びたくなるのは私だけだろうか?
■女性に重く襲いかかったコロナ
今の日本の社会構造の変革がなかなか進まない中、コロナの影響は非正規労働者の率の高い女性たちの生活と精神をより強く直撃してぃる。そこに、このコロナ禍の元での自殺者の増加という形が見えている。
この国で交通事故による死亡者の年間トータルは1万人を切って久しいのだが、一方で例年自殺者の数は交通事故死亡者の数を大きく上回っているのが実情だ。このことはあまり知られていない。
ところがコロナ禍の2020年は警察庁のデータでは、直近の10月と11月の自殺者が、それぞれ男性約2200人、女性1800人であるという。そして1月~11月の自殺者の合計は、1万9000人以上だというのである。実に年間2万人を越える勢いである。
10月の自殺者は、前年同月比で男性が約22%増。一方、女性は約83%増となった。補足すると、例年では男性の自殺者の方が女性のそれよりも格段に多いのが状態化しているのだが、男性もはっきりと増加傾向にある上に、女性はさらに非常な増加傾向にあるという。
非正規労働者は、コロナによる経済の停滞の影響をより強く受けるということの証である。
しかし、だから「経済を動かせ!」「Go toトラベルだ!」という論法は無謀である。
因みに、12月23日段階で、全国のコロナ関連の死亡者数は3026人で、この先の推移には注視が必要であるし、事実増加の仕方は加速している。
先の安倍晋三政権の誕生では(当時)は2012年の就任時に、日本を「女性が輝ける」場所に変える“ウーマノミクス”改革を約束した。
2020年までに指導的地位に就く人に占める女性の割合を30%以上にするとの目標を打ち出し、企業経営者らに向けてより多くの女性を幹部に登用すること、その増加を呼びかけた。
ところが、それら多くは口先だけのリップサービスに終わり、範を示すべき閣僚人事においてもまさにお寒い状況だった。
世界経済フォーラム(WEF)は「ジェンダー・ギャップ指数」のランキングで、安倍前首相の在任中、日本の評価を(2015年の)101位から20ランク下げ、(2019年には)121位とした。
このようなランクの低下により、G7の1国である日本は、ベナン、アラブ首長国連邦に次ぐ低い順位となった。まさに女性の活躍も、男女平等など底辺のボトムアップも政策に実効性が見られなかった。
■就活に翳りが訪れる
リクルートワークス研究所は、2022年卒の大学生・大学院生に関する調査結果を伝えている。それによると、21年に比べて採用人数を減らすとした企業は11.6%、増やすとした企業は7.7%だったとある。
採用減が採用増を上回ったのは、リーマン・ショックの影響下にあった11年卒以来11年ぶりということ。
内容の内分けでは、
・採用を減らすとした企業
飲食業、宿泊業(21.6%)
情報通信業(13.4%)
機械以外の製造業(13.3%)
・採用を増やすとした企業
建設業、医療・福祉分野
・採用の増減は分からないとした企業(26.1%)
・変わらないとした企業(45.0%)
これだけのアンケートデータ(4516社から回答集計)では、とても克明なことは見えにくいが、経済の翳りが同様に就活の翳りとも連動して、就活者を苦しめることになるということは確かである。
もうすでに21年度採用に向けて就活者や就活生の闘いは始まっている。そこに、採用の企業と、それを裏で操り儲けようとする就活サイトと、学生や新卒者・その他就活者たちとのバトルの幕は開いているのである。
<まとめ>
コロナ禍の猛威は、社会全体の各世代・各分野・各層を満遍なく席捲しているが、自殺に追い込まれるほどの苦しい思いの底辺の人々をどう救い上げるかが緊急の大きな課題である。
バブルがはじけた後の就活冬の時代や、リーマンショック時の時からすると、ここ数年は若干の売り手市場だった就活も、ここで一気に冬の時代に落ち込むのか、いずれにしてもコロナの禍でさらに自殺者が増加しないように、国は実効性のある政策を早急に打ち出すべきであろう。
<サイト運営者の泪です>
クリスマスイブを明日に控える今日ですが、街中にはそんな浮かれた気分は見られません。それもこれもコロナが上から重くのしかかっているからに他なりません。でもここで踏ん張ってじっと堪え、みんなでこの危機を乗り越えていきましょう。それに、市民・国民の力で国の政策の誤りを是正していこうではありませんか。
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