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非正規労働者は 果たしてどれほど幸福な人生なのか??

 

私の姪っ子にもう長らく派遣の仕事をしている娘がいる。齢も40も超えたか?
最近、その父親が娘の預金通帳をみてまだ2百数十万しかない残高に、嘆いていた。長く働いているのに、派遣の非正規労働ゆえにその額の少なさにカチンときた模様である。

当の本人はと言うと、結婚したいとかの希望もなく親元から仕事に通う家賃のいらない気楽さからか、至ってマイペースそのものである。

オジサンの私でも傍目に見ながら「も少しなんとかならないの?」という気分にはなる。

派遣と聞けば、アルバイトやパートに比べて若干聞こえはいいが、所詮ボーナスもベースアップもほとんどない非正規労働である。小泉政権下で派遣労働法が、今のように改正されて大幅な緩和が成されて以来、企業に都合のいい安い労働力の調達方法として、そして不景気や非常時の安全弁として大々的に取り入れられた雇用形態である。

果たしてこれらが、当の労働者本人たちにとってどれほど幸せをもたらす制度なのか、大いに疑問が湧くところである。この命題に私は否定的な見解をもつが、当の非正規労働者には「気に入らなかったら、いつでも止められる」とか「労働時間が少なくていい」とか、肯定的に捉えている人もいるようだ。

しかし、それさえも私には非正規の立場の弱さや身分の不安定さの根源がそこにあり、決して労働者の利益には繋がらないと思えてならない。まさに以下のような数値的なデータと、この国のこの30年間に及ぶ給与水準の低迷ぶりが総てを物語っているとは言えないだろうか。

◆非正規、派遣労働の背景と、人口の推移

いわゆるバブルのはじけた後、企業は正社員雇用を抑制し、人手不足の人材は派遣による「安い労働力」にシフトした。そのため経済界は自民党を動かし派遣労働法の大幅な規制緩和を実行させた。

以降の非正規労働者の人口の推移は以下のようである。
1994年: 970万人
2003年:  1500万人

2007年:  1700万人
<08年のリーマンショック後、「派遣切り」の大量解雇の嵐が吹き荒れる>
2017年:  2000万人
2020年:  2070万人(8月時点、男性665万人 女性1405万人)雇用労働者の37%を占める
このように、常に右肩上がりに非正規労働者の人口は増加している。

※厚生労働省の調査によると、昨年6月時点で、残業代を除く平均月収は正社員より10万円以上低いということである。

企業はバブル崩壊以降、労働者の賃金抑制と利益の内部留保増加の両方を駆使して、事業の基盤確保を続けてきた。取りも直さずその犠牲となったのは労働者階級そのものである。しかも、このようなやり方で賃金抑制が成されている国は先進国のなかでは日本だけであるということを、申し添えておきたい。

◆コロナ解雇の蔓延が怖い!

ここにきて、私の住む地方の新聞にも、コロナのせいで解雇が急速に増えているという記事が散見されるようになったようだ。人口100万人にも満たない小さな県なのに解雇者数千人超えなどという少なくない規模なので、とても気にかかる状態だと思う。

別の記事では、「群馬県高崎市の20代女性が、キャバクラ店での副業を理由に雇用契約を打ち切るのは不当だとして、元勤務先の市内のスポーツジム運営会社を訴える裁判を申し立てた。」とある。女性は小学生の子どもを育てるシングルマザーで、同ジムで契約社員として働いていたという。

ここでも、契約社員という不安定な立場ゆえに解雇され、低収入であるがゆえにキャバクラ努めの副業を止むなくされた実態が伺える。もともと、非正規雇用の立場の不安定さと低収入というダブルパンチを受けている状態で、コロナの影響を喰らうというトリプルパンチを喰らったのでは立つ瀬がない。

このように、シングルマザーという非常に危うい立場の女性たちは、当然の如く夜の街での割のいい仕事や風俗の方向に流れていくことは当然考えられることである。母親は子育てと生活設計の両立という相矛盾しやすい課題を抱えて奮闘することになる。

そこに、社会構造としての女性差別が拡大していくのです。

日本のシングルマザーの貧困率は48%という数字もあるが、私はもっと立が高いのではないかと思う。この国では、シングルマザーに手を差し伸べない政権運営が代々受け継がれてきた。

総務省の統計データによると、日本国内のシングルマザーの総数は106万3,000人(2015年)。この内の約7割が祖父母などに頼らず、自らの手で子どもを育てているという。そこには、厳しい生活実態が透けて見えるような思いがする。

コロナ禍のビフォーとアフターでは、どう違っているのか具体的なデータを国や自治体はもっと調査して用意するとともに、効果的に提示すべきであろう。

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まとめ

◆まとめて言えば、この国では「派遣法改正」の小泉政権以来の非正規労働者の急増と、それとセットとしての低賃金に加え、今回のコロナショックが三重苦をもたらしたということになるのであろうか。国は子育て支援と、非正規労働者支援の一体的な施策を格段に充実させるべき時期に来ていると思われる。

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