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あなたは最低賃金で生きられるのか? 2021年の賃金改定状況

最低賃金の改定

2021年度の全国各都道府県別最低賃金の改定額は以下のようになっています。全国加重平均額は930円となりました。それは、最高額の東京都1041円と最低額の沖縄県820円のほぼ中間値に当たる金額となっています。

最高額と最低額の差は221円で、それは決して小さいとは言えません。ただし、地域的に住居や交通費、食費など生活費の違いがあるため、最低賃金の高い低いの程度と生活のしやすさの、どちらを優先するか迷うこともありそうです。

どこで就職し、どのように生活するかの選択に目安とはなりそうです。

最低賃金の発表では、毎年、全国の都道府県を賃金の高い方からABCDと4つのランクに分けて、表示されています。下位のCランク・Dランクの県の数が多く格差は歴然です。

 Aランク
 (6)
東京(1041円)、神奈川(1040円)、大阪(992円)、埼玉(956円)、愛知(955円)、 千葉(953円)
  Bランク
 (11)
京都(937円)、兵庫(928円)、静岡(913円)、三重(902円)
広島(899円)、滋賀(896円)、 栃木(882円)、茨城(879円)
富山(877円)、長野(877円)、山梨(866円)
  Cランク
  (14)
北海道(889円)、岐阜(880円)、福岡(870円)、奈良(866円)
群馬(865円)、岡山(862円)、石川(861円)、新潟(859円)
福井(858円)和歌山(859円)、山口(857円)、宮城(853円)
香川(848円)、徳島(824円)
 Dランク
 (16) 
福島(828円)、島根(824円)、愛媛(821円)、山形(822円)
青森(822円)、岩手(821円)、秋田(822円)、鳥取(821円)
高知(820円)、佐賀(821円)、長崎(821円)、熊本(821円)
大分(822円)、宮崎(821円)、沖縄(820円)、鹿児島(821円)

 

<A・Bランク>

 ランク Aランク最高額 Aランク最低額 Bランク最高額 Bランク最低額
  年   東京都   千葉県   京都府   山梨県 
2009年 791円 ( ) 744円(16) 729円(12) 677円(1)
2010年 821円 (30) 748円(4円) 749円(20) 689円(12)
2011年 837円(16) 756円(8円) 751円(2円) 690円(1円)
2012年 850円(13) 777円(21) 759円(8円) 695円(5円)
2013年 869円 (19) 798円(21) 773円(14) 706円(11)
2014年 888円 (19) 817円(19) 789円(16) 721円(15)
2015年 907円(19) 842円(25) 807円(18) 737円(16)
2016年 932円 (25) 842円(0円) 831円(24) 759円(22)
2017年 958円(26) 868円(26) 856円(25) 784円(25)
2018年 985円 (27) 895円(27) 882円(26) 810円(26)
 2021年 1041円(28)
(東京都)
953円(28)
(千葉県)
937円(28)
(京都府)
866円(28)
(山梨県)

<C・Dランク>

 ランク Cランク最高額 Cランク最低額 Dランク最高額 Dランク最低額
  年     徳島県   福島県  鹿児島県 
2009年 696円(0) 633円(1円) 644円(3円) 630円(3円)
2010年 706円(10) 645円(12) 657円(13) 642円(12)
2011年 707円(1) 647円(2円) 658円(1円) 647円(5円)
2012年 713円(6) 654円(7円) 664円(6円) 654円(7円)
2013年 724円(11) 666円(12) 675円(11) 665円(11)
2014年 738円(14) 679円(13) 689円(14) 678円(13)
2015年 754円(16) 695円(16) 705円(16) 694円(16)
2016年 776円(22) 716円(21) 726円(21) 715円(21)
2017年 800円(24) 740円(24) 748円(22) 737円(22)
2018年 825円(25) 766円(26) 772円(24) 761円(24)
2021年 888円(28)
(北海道)

824円(28)
(徳島県)

828円(28)
(福島県)
820円(28)
(沖縄県)

最高額の東京と最低額の鹿児島・沖縄を比べてみました。

    東京   鹿児島   差
 2009年  791円  630円  161円
 2013年  869円  665円  204円
 2018年  985円  761円  224円
 2021年  1041円  820円(沖縄)  221円

 

この表を見る限り、この10年で、地域による給与の格差は拡大しているようです。

これらは最低賃金ですから、建設業などの業種別最低賃金はもっと高く設定されています。人手不足を補うためには、少しでも高い額を設定する必要があるからです。(これに関するデータは割愛)

しかし、この賃金額で果たして人はどれほど食べていけるのでしょうか? 単純にシュミレーションしてみましょう。

シュミレーション

東京(1041円)、平均時給(930円)、沖縄県(820円)の3つのパタ-ンで比べてみます。

(条件)

・労働基準法の所定内労働時間の基準ピッタリで働く場合を想定します。(それを超えると残業となり、時給額が違ってきますから)1日8時間労働(取りあえず9:00~18:00、内1時間の昼休みは労働時間には入れない)で、週に40時間、月に22日間働くと仮定した場合。

東京  :985円×8h×22日=173,360円   年収:173,360×12=2,080,320円
全国平均:874円×8h×22日=153,824円   年収:153,824×12=1,845,888円
鹿児島 :761円×8h×22日=133,936円   年収:133,936×12=1,607,232円

この賃金額から社会保険料(主に医療費関係と厚生年金)を引かれて、手取り額はさらに少なくなると、生活はかなり苦しいものになりそうです。特に自分で家賃を払っての一人暮らしになると、とても苦しいと思います。

フルに一生懸命働きながらも、年収が200万円を超えない状態は非常に低所得な状況として社会問題化しつつある今日です。最低賃金とはまさにそういった問題を回避するための最後のセイフティネットとして機能しなくてはならないと考えます。

大学卒の初任給が20万円を超えてきている今日、どれほどキャリアがあっても正規の雇ではない場合には、大卒の初任給さえも超えないとしたら、憲法の保障しているはずの「健康で文化的な最低限度生活」は保障されないような状況です。

パート・アルバイトなどの非正規労働の場合

通常、多くの場合には週40時間の所定労働時間を下回る労働時間で働く人たちが多いと思います。とくに主婦や学生で親の扶養の枠内で働いている人は、年収に103万円の壁があり、それを越えないギリギリの範囲で時間をコントロールしながら働く必要があります。

扶養の枠内で働くか、まったく自立して働くかによって、その働き方は大きく違う可能性があります。
しかし、どちらにしても正規雇いに比べて、生活をする上でかなりの制約を受けることは間違いなさそうです。

最低賃金改定の改定にあたっては、例えば鹿児島では2016年~2018年はようやく20円台の増となっていますが、2002年~2012年の10年間は、2010年を除き1桁のレベルの低い状態でした。この先、上昇率が失速しないことを祈ります。

生活者の視点から考える生活のできる賃金とは、今の物価状況下で約1,500円という要求らしいです。そうそう簡単には実現できそうもない数値ではありますが、そういう要求を労働者が常に持ち続けることは大事だと思います。

「御無理御もっとも」の諦めではなく、要求を掲げることの重要さを市民社会の要求にまで高めていくことが出来ればいいですね。働くことが大事な価値として正当な評価を受けられる社会の建設に向けて。

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