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過労死ライン「月80時間」を超す残業は公序良俗に反する!

 

早期の対策が必要

クロ〇〇ヤマトの宅急便でおなじみ、ヤ〇ト運輸が、社員の残業時間を調査して未払いがあれば支払う方針であることを発表しました。アマゾン商品の宅配を請け負ったあたりから、同社では、労働環境が悪化したのだといいます。

再配達などで残業が続いているといいます。人によってはトータルの未払い賃金が100万円にもなるとか。請求期限の2年間まで遡って調べるのでしょうか?

このように、宅配業界や引っ越しなど、運輸一般は押しなべて「ブラック」との話は久しく語られていますが、奇しくもそれを裏付ける形となってしまいました。

最近の労働裁判では

最近では、月80時間を超える残業時間について「公序良俗に反する」「労働者への配慮に欠ける」という判断が相次いでいるとのことです。

労働者と雇用者の間でよく問題となる争点ですが、給与に含まれたみなし残業代の件があります。それにはおおよそ2つの問題があります。一つは、給与のどの部分詳しくはいくらの金額がみなし残業の賃金に当るのかという問題です。

もう一つは、その定額の賃金が一体何時間分の残業に見合っているのかという明確な明示の問題です。どんぶり勘定では許されません。いくらいくら支払っているから、上限なしでいくらでも無制限に残業させてよいというものではありません。もうそんな時代ではないのです。

岐阜地裁で争われた訴訟判断

会社が月83時間の残業代に相当する月10万円の管理者手当を支払っていたことについて、岐阜地裁の判断は以下のようなものでした。(2015年10月の判決)

「(厚生労働省が残業上限の目安とする)月45時間の2倍に近く、相当な長時間労働を強いる根拠となり、公序良俗に反する違反すると言わざるを得ない。手当を残業代と認めることはできない。」との判断です。

これは、「管理者手当」という名目と「残業代」という名目の賃金は同時にカウントできないということの証左でもあります。管理者手当は管理業務に関する手当であって、残業という業務に対する手当とは趣旨が違うものであり、分けて考えなければならないというものです。まさにそれが正論だと、私も思います。

その他の裁判例でも

札幌高裁、2012年10月の判断では、ホテルの料理人として働いていた男性が未払い残業代を求めた訴訟で、以下のように判断しています。

95時間の残業代に相当する職務手当について「このような長時間の残業を義務付けることは、安全配慮義務に違反し、公序良俗に反する恐れもある」と指摘。「労働者の生活と仕事を調和させようとする労働基準法36条の規定を無意味なものにする」としたというものです。

また、京都地裁の判断(2010年5月)では、居酒屋チェーンで働き、24歳で過労死した男性の遺族が損害賠償を求めた訴訟の判決で以下のように判断を述べている。1カ月100時間という残業上限を、「労働者に配慮したものとは全く認められない」としている。この判決にも拍手です。

時代は労働者側に来ているというのに

ここに紹介してきた上記のような例のように、時代は徐々に労働者側に有利な方向へは向いていると思うのですが、ここで気になるのが、現在政府で検討されている「働き方改革国民会議」の動向です。政府は財界の意向を受けて、残業時間100時間上限(繁忙期に限り)を認めるような発言さえしかねない様子です。

年間上限720時間(月平均60時間)という上限規定は決して低い数値ではありません。明らかに高過ぎる数値です。こんなものを法制化させてはいけません。国を挙げて過労死を後押し、推進するなどという事態は許されないことです。

月平均60時間の残業だとしたときに、一日平均を計算すると2.7~3時間となります。これが毎日続いたとして月合計が60時間となるわけです。この上限が許容されてしまうというものです。

毎日2~3時間の残業をあなたは喜んでやりたいですか? 「今日は定時で帰れる」なんて日が稀なことになってしまわないのでしょうか? なにせ法律がそれをOKだと言っているのですから。

しかも、繁忙期は100時間までやっていいというのです。まさに、ムチャクチャな話ではありませんか。「働き方改革」なんて言葉がむなしく聞こえてきそうです。

あなたも、これらの動きには注意を向けられることをお願いします。そんなことでは、この国が先進国の笑いものになってしまいます。「karoshi」と言う言葉が世界語になっていることを思えば、すでに笑いものなのかも知れませんが。

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